互助会は入る意味がないの?
う~ん、私は互助会に入る意味は十分にあると思いますけどねぇ。
互助会の加入契約数は日本全国で約2,200万件となっており、これは日本人の5人に1人が互助会に入っている計算です。
しかし、多くの人が互助会に入っている一方で「互助会は入る意味がないから、べつに入らなくてよい。」と言う人もいます。
互助会に入る意味があるのか、ないのか、一体どちらなのでしょう?
結論を言うと、互助会に入る意味はあります。
葬儀費用は平均で100万円を超えますが、それを軽減できるのが互助会なので、互助会に入るメリットは大きいのです。
じつは、「互助会に入らなくてよい」と言っているのは【ごく一部の葬儀業界関係者】であり、彼らは上手に不安をあおってから自社の宣伝をするので要注意です。
この記事では、現役僧侶の私が『互助会に入る理由』について書いています。
互助会の利用価値を確認できますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 「互助会に入る意味がない」と言われる理由が分かります。
- 多くの人が互助会に入っている理由が分かります。
- 「互助会に入らなくてよい」と言っている人の目的が分かります。
- 『互助会に入らなくてよい』と聞いたけど、本当なの?
- 何となく互助会の入会には不安がある。
- なぜみんな互助会に入っているんだろう?
この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって29年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。
互助会は入る意味がないの?
互助会にはとても多くの人が加入していますが、一方で「互助会は入る意味がないから、べつに入らなくてよい。」という意見もあります。
互助会にはいろんなメリットとデメリットがありますが、総合的に考えると互助会に入る意味はありますよ。
互助会とは、大きな出費となる『お葬式の費用』を軽減するため、その名のとおり日本全国の加入者たちでお互いに助け合うことを目的とした会(制度)のことです。
互助会に入って事前に積み立てをしておくことで、お葬式のときに、
- 葬儀費用の大幅な割引を受けられる
- 豪華で充実した施設を格安料金で使える
といったような権利を取得できます。
互助会員の葬儀費用の割引率というのは、非会員価格の【約30%~50%オフ】が一般的です。
これだけでもかなり大きなメリットですよね。
また、互助会の所有する式場はホテルのような豪華施設ですが、互助会員であればその施設を格安料金で使用することができます。
しかし、互助会には、
- 積み立て金だけでは葬儀費用の全部をまかなえない
- 契約コースを変更できない
- 解約時には支払い金額の10%~20%程度の手数料が必要
などのデメリットもあります。
したがって、互助会のメリットとデメリットを総合的に考えると、互助会に入る意味があるのは、
- 亡くなった家族のために《ちゃんとしたお葬式》をしてあげたい
- 前もってお葬式の準備をしておきたい
- 納得のいくお葬式を、できるだけ《お得》に行いたい
という人たちです。
反対に、互助会に入らなくてよいのは、
- とにかく葬儀費用を安く抑えたい
- 葬儀費用ならいくらでも出せる
- どうしても互助会を信用できない
という人たちです。
このように、互助会に入ることに意味があるかどうかは、人それぞれの【状況】や【お葬式に対する考え方】によって違うんですよね。
しかし、多くの人は家族のお葬式を大事に考えているので《ちゃんとしたお葬式》をするための準備をし、なおかつ《お得》にお葬式をしたいと思っています。
ですから、多くの人にとっては【互助会に入る意味がある】という結論になります。
【関連記事】:互助会はどこがいい?現役僧侶の私がおすすめする互助会5選
互助会に入会する意味がないと言われる理由
ごく一部の人は「互助会は入る意味がないから、べつに入らなくてよい。」と主張していますが、その理由は何なのでしょうか?
積み立て金だけでは葬儀費用の全部をまかなえない
互助会に入ると『契約コース』を選んで積み立てをしていきますが、契約コースの内容や価格というのは互助会によって違います。
契約コースの価格は【12万円~60万円】が一般的で、これを毎月1,500円~5,000円くらいの金額で積み立てていきます。
しかし、じつは積立金だけでは葬儀費用の全部をまかなえないのです。
事前に積み立てをすることにより、お葬式のときに《契約コースに入っている内容》については大幅な割引がされますが、その他のものには【追加金】が必要となります。
また、現実的な話をすると、ほとんどの人が契約コースの内容だけでは物足りずに何らかの追加をしていますので、積立金と追加金を合計すると結果的に100万円に近い金額になってしまいます。
そのせいで【積立金の支払いを終えたら、それ以上の出費はない】と思っていた人が怒り出すこともあるんです。
このように、積み立てをしたにもかかわらず、現実的には追加金を支払うことになるため、『互助会に入る意味がない』と主張する人もいます。
契約したコースの内容を変更できない
互助会で契約したコース内容にはたくさんの項目が入っています。
契約コースの項目は、基本的に【お葬式に必要なもの】が入っていますが、その中には《契約者にとっては不要》というものもあります。
契約者にとって不要なものを削ることができれば、その分だけ積立金を削減できそうですが、残念ながらほとんどの互助会では《契約したコースの内容》を変更できません。
実際にお葬式をしてみて《不要だったもの》としてよく言われるのは、
- エンバーミング(遺体の長期保存の措置)
- 故人は男性なのに過剰な【死に化粧】だった
- スタッフの人員数が無駄に多かった
- 式場が必要以上に広い部屋だった
などです。
このように、互助会の契約コースは《望まない内容》の分まで費用を支払わなければならず、そのため『互助会に入る意味がない』と主張する人もいます。
お葬式というのは遺族の考え方によって規模や内容が変わりますので、希望する内容と契約コースの項目が合致しているかを事前に確認しておきましょう。
《関連記事》:【入会前に必読!】互助会の積立てコースによくある内容を紹介
家族葬や一日葬にするから互助会に入る意味がない
互助会に入る主な目的は葬儀費用を軽減するためです。
しかし、最近増えてきた『家族葬』や『一日葬』などであれば一般的なお葬式よりも葬儀費用が少なくなります。
つまり、葬儀費用の少ない『家族葬』や『一日葬』にするから互助会に入る意味がないという人もいるのです。
とはいえ、【一般的なお葬式の半額】みたいに劇的に安くなるわけではなく、また、小規模なお葬式にすることで思わぬトラブルを招くこともあります。
『家族葬』や『一日葬』にする場合は、一般的なお葬式と比べてどのくらいの差があるのかを確認しておくべきでしょう。
葬儀費用は事前に自分で貯金しておけばいい
多くの人が、葬儀費用の準備を《互助会の積み立て》という形でしています。
しかし、もちろん葬儀費用の準備の方法は他にもあり、一番簡単なのは『貯金』です。
ですから、互助会に入らず葬儀費用は事前に自分で貯金しておけばいいという人もいます。
たしかに、大体の葬儀費用が事前に分かっているなら、そこから逆算して『貯金』をしておけばいいのです。
しかも、互助会の積立金の用途は冠婚葬祭に限定されますが、貯金であれば用途は自由ですから、何かあったときにはそのお金を他のことに使えます。
ですから、自分でしっかりとお金の管理ができる人にとっては互助会に入る意味はないかもしれません。
貯金できる自信がない人は互助会で積み立てておきましょう。
格安葬儀の方がいいのでは?
葬儀費用の平均は100万円を超えますので、その負担を軽減するために互助会の積み立てをします。
しかし、100万円を超えるのは従来のようなお葬式をした場合です。
最近では、お葬式の形態にこだわらず、低価格でお葬式ができる格安葬儀を選ぶ人が急増しています。
たくさんのメディアで【格安葬儀】の広告が出ており、その中には《数万円》からお葬式ができるような宣伝文句もあります。
100万円と数万円では雲泥の差、とにかく葬儀費用を安く抑えたい人にとっては互助会は意味がありません。
また、お葬式をしないで最初から火葬をする『直葬(ちょくそう)』という葬送形態もあります。
最近では『直葬』をする人が急増中です。
どんなお葬式を行うかは家族が決めることなので、費用を抑えることが最優先であれば、互助会ではなく格安葬儀や直葬などを検討してもよいでしょう。
ただし、格安葬儀については一般的なお葬式に比べるとトラブルが多かったり、最終的な費用が一般的なお葬式とあまり変わらないこともあるので、お葬式の内容をしっかりと確認してください。
《関連記事》:安さだけで選ぶと大後悔。格安葬儀でトラブルになる事例と理由
互助会に入る理由
冒頭でも言いましたが、日本人の約5人に1人が互助会に入っている計算です。
これだけ多くの人が互助会に入っているのには理由がありますので、ここからは『互助会に入る理由』について代表的なものを紹介します。
葬儀費用を軽減できる
互助会に入る最大のメリットは、やはり葬儀費用を軽減できるということです。
互助会に入っている人のほとんどは『葬儀費用の軽減』が目的です。
先ほども言いましたが、葬儀費用が非会員価格に比べて【約30%~50%】くらい割引され、豪華施設を格安料金で使用できるので、それだけでも互助会に入るメリットがあるのです。
ただし、互助会の積立金だけでは葬儀費用の全部をまかなえず、不足している内容を追加していくため、結局はそれなりに大きな出費になってしまいます。
メニューの追加は必ずあると思ってください。
ですから、《互助会に入っても、支払う金額は相場とあまり変わらない》ように思えるかもしれませんが、同じような金額でも会員の方がずっと充実した内容になっています。
支払う金額に対する内容を考ると、互助会で積み立てをしておいた方がお得になるのは間違いありません。
コースの内容が決まっているからこそ大幅な割引ができる
互助会の契約コースというのは【自分の希望に沿った内容】に変更(カスタマイズ)ができません。
そのため、契約コース内容の中に不要だと思うものが入っていても、それを削って費用を抑えることができません。
ですから、「大切な家族のお葬式なのに、内容を自由に決められないのは嫌だ。」と思う人もいます。
しかし、互助会というのはコースの内容が決まっているからこそ大幅な割引ができるのです。
例えば、『幕の内弁当』にはいろんなもの(料理)が入っていますが、1つあたり500円~700円程度の低価格で買うことができます。
あれは、弁当屋さんが同じ具材を大量に仕入れて、同じ内容のお弁当をたくさん作ることで、お弁当1つあたりの単価を下げているのです。
互助会の契約コースもそれと似ており、お葬式で必ず使う小物類は同じものをたくさん仕入れたり、祭壇などをメンテナンスしながら使いまわすことで、1回あたりの葬儀費用を抑えています。
ですから、不要だと思うものがいくつか入っていても、全体的な視点で見れば、互助会の契約コースを利用する方がお得です。
というか、基本的に『まったく必要でないもの』は入っていませんので安心してください。
家族葬や一日葬でも葬儀費用はそれなりに高額になる
互助会に入る主な目的は、やがて来るお葬式の《大きな出費》に向けて準備をしておくためです。
最近では「家族葬や一日葬にすれば、葬儀費用が安くすむから互助会は不要だ。」と考える人が増えていますが、もしかすると、そのような人たちは葬儀費用を《数万円〜数十万円》くらいまで減らせると思っているのかもしれません。
しかし、残念ながら家族葬や一日葬でも葬儀費用はそれなりに高額になるのです。
葬儀社へ支払う費用の他にも『飲食代金』や『返礼品代金』そしてお坊さんへの『お布施』などもあるので、それらを合わせてると、
- 【家族葬】:約100~150万円
- 【一日葬】:約80~150万円
となっており、どちらも十分に高額です。
ちなみに、従来の【一般的なお葬式】の平均価格は約200万円なので、それに比べれば家族葬や一日葬の方が費用が安くなります。
そうはいっても100万円を超える大金を急に支払うのは大変ですよね。
やはり事前にちゃんと準備をして、なおかつ《お得》にお葬式ができるようにしておくのが賢明です。
そのためには、しっかりと葬儀費用の準備ができる【互助会の積み立て】が有効な手段となります。
葬儀費用を自分で貯金するのは意外に難しい
読者さんの中には「葬儀費用は自分で貯金をして準備すればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
たしかに、わざわざ互助会で積み立てをしなくても、十分な葬儀費用を自分で貯金をしておけば何も心配することはありません。
しかも、現金であれば用途が自由なので、もしも他のことで現金が必要なときには流用できます。
ただ、実際には葬儀費用を自分で貯金するのは意外に難しいものです。
多くの人は、何か欲しいものを買うためならしっかりと貯金をすることができます。
しかし、『何となく』とか『とりあえず』みたいに目標が明確でない貯金というのは失敗しがちです。
葬儀費用は、いつ必要になるか分からないし、実際にはいくら必要になるか分かりません。
お葬式は不確定要素が多いので明確な目標を設定できないんですよね。
すると、計画的に貯金ができなくなり、つい他のことにお金を使ってしまい、いざというときに慌てる結果となるのです。
一方で、互助会の積み立てなら、いい意味で一定期間は半強制的に毎月の支払いがありますし、用途も決められているので、計画的に準備ができます。
格安葬儀はトラブルが多い
あなたは『お葬式の費用が7万◯千円〜』みたいな広告を見たことがありませんか?
とにかくお葬式の費用を安くしたい人を対象に、最近では【格安葬儀】を宣伝文句としている葬儀社が急増しています。
平均で100万円を超えるお葬式の費用が10万円未満で行えるのなら明らかにお得ですよね。
でも、7万円台という金額では【満足のいくお葬式】ができないでしょうね。
そして、格安葬儀はトラブルがおきやすいので十分な注意が必要です。
格安葬儀の場合、本来なら葬儀社に任せるべきことも自分でやる必要があるなど、非常に疲れる上に手配ミスも多くなるので、結果的に【後悔だらけのお葬式】になります。
そのため、どうしてもたくさんのメニューを追加することになり、気がつけば平均的な金額になっています。
このようなことから、「安いと思っていたのに、結局は高額になった!」とトラブルになることが多いのです。
格安葬儀は非常にお得なのですが、満足のいくお葬式をしようと思えば最終的には平均的な金額になることを覚えておいてください。
「互助会に入らなくてよい」と主張するのは、ごく一部の葬儀業界関係者
互助会というのは、人それぞれの考え方や金銭的な事情によっては【意味がないもの】になります。
しかし、多くの人は「家族が亡くなったときは、ちゃんとお葬式をしてあげたい」と思っており、そのために互助会に入って葬儀費用の準備をしているのです。
一方で「互助会に入らなくてよい」と言っている人もいますが、じつは、そのような主張をしているのはごく一部の【葬儀業界関係者】です。
ごく一部の葬儀業界関係者は、互助会のデメリットやトラブルを大きく取り上げ、うまく不安をあおった後で「弊社では本当の安心価格でご葬儀のお手伝いができます。」と自社の宣伝をします。
しかし、先ほども言ったように、納得のいくお葬式をするには100万円以上のお金が必要なので、結局は互助会と同じような金額になるのです。
ですから、「互助会に入らなくてよい」と言っているのはごく一部の葬儀業界関係者だけであり、そして、それはお客さんを自社へ引っ張り込むための戦略です。
もしも何かのメディアに『お葬式が7万◯千円~』とか『互助会は入る意味がない』という文言があっても、それはお客さんの目を引くための【単なるキャッチコピー】だと認識してください。
何でもそうですが、格安には裏があるものです。
まとめ
お葬式をするには平均で100万円を超えるお金が必要となるため、多くの人は互助会に入って事前にしっかりと葬儀費用の準備をしています。
互助会に入り積み立てをすることで、葬儀費用の大幅な割引が受けられたり、豪華施設を格安で使用できるので互助会に入る意味はあります。
しかし、一方で「互助会は入る意味がないから、べつに入らなくてよい。」と言っている人もいます。
お葬式に対する考え方や経済状況などは家ごとに違いますので、互助会に意味を感じない人もいることでしょう。
ただし、実際のところ「互助会に入らなくてよい」と主張しているのはごく一部の葬儀業界関係者であり、それがお客さんを自社へ誘導するための戦略です。
お葬式は大切な家族の『最後の晴れ舞台』となるので、家族でよく話し合って事前に準備をしておきましょう。
※互助会を選ぶときはこちらの記事を参考にしてみてください。