互助会って何なの?互助会に関する基礎知識を分かりやすく解説

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「互助会って何なの?」という文字を指さすスーツ姿の女性

お葬式の話題になるとよく出てくる【互助会】というワード。

互助会という言葉は聞いたことがあっても、それが何なのかはよく分かりませんよね。

互助会とは『事前にお金を積み立てることで、冠婚葬祭のときに大きな特典を受けられるシステム』のことです。

お葬式をするにはたくさんのお金が必要ですが、互助会で事前に積み立てをしておくことで、いざというときの葬儀費用を軽減できます。

本記事では、現役僧侶の私が【お葬式で利用する互助会の基礎知識】について分かりやすく解説しています。

互助会の全体像が理解できますので最後まで読んでみてください。

ちょっき

誰かに説明できるレベルにはなれますよ。

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互助会って何なの?

互助会は、しっかりと内容を理解していればとても利用価値の高いものです。

実際に多くの人が互助会に入っていますし、僧侶の私としてもお葬式の準備のために【互助会に入会する】のはよいことだと思います。

互助会とは

互助会とは、正式名称を『冠婚葬祭互助会(かんこんそうさいごじょかい)』といいます。

戦後(昭和23年)に誕生したもので、『相互扶助の精神』のもと、事前にみんなで少しずつお金を出し合い、冠婚葬祭での大きな負担を軽減させるための組織です。

互助会が誕生してから入会者は増え続けて、現在では日本全国に200以上の互助会があり、加入契約数は約2,200万件となっています。【参照:全日本冠婚葬祭互助協会

ちょっき

日本人の5人に1人は互助会に入会している計算ですね。

また、互助会全体として加入者から預かった前受け金は《2兆4,000億円以上》であり、これほど巨大な組織なら安心してお葬式の準備ができますよね。

互助会のシステムを大まかに説明すると、

決まった掛金を事前に支払うことで、冠婚葬祭を行うときに大幅な割引があるなどの『支払った金額以上に高品質でお得なサービス』が受けられる。

というものです。

ちなみに、このような互助会のサービスのことを『役務(えきむ)』といいます。

互助会側は、会員が事前に支払ったお金を《前受け金》として預かり、その資金をもとに結婚式やお葬式などに必要な設備や備品を充実させていきます。

会員側は、契約コースの料金を事前に支払うことで、

  • お葬式のときに大幅な割引を受けられる
  • 互助会の所有(提携)する充実した施設や備品を格安料金で使用できる

などのお得なサービスを受ける権利が得られるのです。

本来ならお葬式でたくさんの費用がかかるところを、互助会に入っておくことで葬儀費用を軽減できるので安心です。

ちなみに、互助会というのは冠婚葬祭のための組織ですが、ほとんどの場合は【葬祭】のために互助会が利用されています。

結婚式なら前もって日程や出席者数が分かっているので、事前に費用等の準備ができます。

しかし、お葬式がいつになるかは誰にも分かりませんので、いざというときにお金が足りずに困ってしまうんですよね。

ですから、多くの人が互助会に入会して、事前に葬儀費用の準備をしています。

互助会の費用の支払い方法

互助会に入り、所定の費用を支払っておくことで、互助会のいろんなサービスを受けられます。

では、どのようにして事前に費用を支払うのでしょうか?

互助会の費用の支払い方法は、

  1. 所定の期間、毎月の積み立てをする。
  2. 最初は積み立てをして、利用したいときに残金を一括払いする。
  3. 最初から全額を一括払いする。

の3つです。

私の知る限りでは『毎月の積み立て』をしている人が圧倒的に多いです。

毎月の積み立てなら、あまり家計に負担をかけずに費用を支払うことができます。

しかし、『一括払いなら割安になる』という互助会も多いので「どうせ支払うものだから、少しでも安くしたい。」といって一括払いをする人もいますので、あなたの都合のよい方法で支払ってください。

また、事前に支払う金額というのは、互助会ごとの契約コースによって違います。

金額の高いコースなら、それだけたくさんの特典があり、金額の安いコースだと相応の特典しか受けられませんので、総合的に考えて契約コースを選んでください。

そして、ここで1つ注意点があります。

互助会で『毎月の積み立て』をしていると、まるで【保険】のように思う人もいるのですが、保険とはまったく違うものなので注意しましょう。

保険は使用するときに《現金》が支給されますが、互助会の場合は、割引などの【サービス(会員特典)】を受けられるものであり現金は一切支給されません。

ちょっき

解約をするときは現金が返ってきますのでご安心ください。

互助会は、経済産業省の許可を受けた企業だけが行える事業

互助会の運営元はほとんどが葬儀社ですが、すべての葬儀社が互助会を運営しているわけではありません。

じつは、互助会を運営するには経済産業省の許可》が必要です。

互助会というのは、積み立てや一括払いなどで【会員が先にお金を支払うシステム】なので、これにより経済産業省の許可が必要な『割賦販売法』の《前払式特定取引業》での運営をすることになります。

そして、どんな葬儀社でも簡単に許可が得られるわけではありません。

許可を得るにあたり、

  • 集めたお金をしっかりと保全できる状況か
  • 運営元の財務内容はどうか
  • 同じ市場における他社との競合状況
  • どのような事業計画なのか
  • どのような約款なのか
  • 専門の相談窓口を設けているか

などを厳しく審査されます。

このような厳しい審査をクリアした葬儀社だけが許可(営業許可番号)を得ることができますので、必然的にある程度大きな葬儀社でないと互助会を運営できないんですよね。

また、互助会の運営が始まった後も継続的に経済産業省に監督され、定期的な運営報告の義務もあります。

ちょっき

互助会のある葬儀社は『高い水準の信用と規模がある葬儀社だと判断できますね。

では、万が一、互助会のある葬儀社が倒産してしまった場合、会員が支払ったお金はどうなるのでしょう?

互助会は『会員から預かったお金の50%は保全する義務』があります。

互助会は会員から預かったお金を、

  • 法務局に供託する
  • 経済産業大臣の指定する者【指定受託機関(保証会社)】と供託委託契約を結ぶ
  • 銀行または信託会社その他法令で定める金融機関と供託委託契約を結ぶ

上記のいずれかの方法で保全しなければなりません。

ですから、万が一【倒産】をしても、株券などとは違って、最低でも会員が支払ったお金の半額は返ってきます。

このように、互助会は国の厳しい監督のもと、会員のお金をしっかりと守り、なおかつ会員の利益となるようなサービス(役務)を提供する仕組みができているのです。

たまに、「互助会はやばいから入会しない方がいい。」と言う人がいますが、それは【ごく一部の葬儀業界関係者】が自社の宣伝のために人々の不安をあおっているだけです。

互助会は巨大な組織なので誤解をされることもありますが、厳格な審査をクリアして運営されている組織なので心配無用です。

《関連記事》:互助会はやばいって本当?互助会が誤解される事例について詳しく解説

互助会で受けられるサービスの内容

互助会に入会するときには希望のコースに申し込みます。

コースの内容は互助会によって違いますが、だいたい共通している項目がありますので、ここで《どの互助会でもよくある内容》を紹介します。

どの互助会でもよくある内容は、

  • 寝台車
  • 霊柩車(れいきゅうしゃ)
  • 枕飾り一式
  • 棺(棺覆い付き)
  • 仏衣
  • ドライアイス
  • 祭壇
  • 遺影写真
  • 位牌
  • 骨壺
  • 受付設備
  • 司会者手配
  • 打ち合わせ・役所手続き代行

などです。

ご覧のとおり、基本的に必要最低限のものが対象になっています。

ただし、申し込んだプランの中に「これは必要ないなぁ。」というものがあっても、原則として内容の変更はできず、仮に不要なものを削っても料金は変わりません。

互助会のコースの内容については、別記事の『【入会前に必読!】互助会の積立てコースによくある内容を紹介』で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

サービスは他の家族も利用できて、権利の譲渡もできる

互助会にお金を支払うことで得られた《サービスを受ける権利》というのは、契約者1人に限定されるものではありません。

じつは、互助会のサービスは契約者の家族でも利用できるのが一般的です。

例えば、契約者の子どもの結婚式をする場合、そこへ契約者本人の持つ権利を適用できます。

また、権利を家族や他人にも譲渡することが可能な互助会もありますので、よく内容を確認しておきましょう。

さらに、権利は適用されるまでずっと残り続けるので、権利の消失(失効)を心配する必要はありません。

県外などに転居しても《サービスを受ける権利》は引き継げる

私たちは、人生において引越しをする回数の平均は約3回なのだそうです。

そのため、互助会に入会しているけれども、事情があって県外へ引越すというケースがあります。

そのような場合は、現在の互助会を解約するのではなく互助会の移籍をしましょう。

互助会の移籍をすれば、引越し先でも《現在の互助会と同等のサービスを受ける権利》を引き継ます。

さらに、現在加入している互助会と同グループの葬儀社が引越し先の近くにあれば、そこでほとんど同じ内容を引き継ぐことができるでしょう。

同グループの葬儀社が無かった場合でも、互助会のある葬儀社であれば、内容は少し変更されますが同レベルのサービスを受ける権利を引き継げます。

この権利の引き継ぎは、日本全国に互助会があり、各互助会同士がしっかりとネットワークで繋がっているからこそできるんですよね。

《関連記事》:引越しをするなら互助会は解約しなきゃダメ?互助会の移籍をする方法

事前に支払う費用(毎月の積み立て金額)

互助会に入会すると、契約コースごとに決められた費用を事前に支払います。

互助会へ事前に支払う費用の相場は、1口あたり『12万円~60万円』といったところです。

毎月の積み立てをして費用を支払う場合は【毎月1,000円~5,000円】という設定のところが多いです。

もちろん互助会によって、あるいはコースの内容によって費用は違いますが、多くの互助会で基本となっているのは『24万円』のコース。

私もいろんな互助会の『24万円コース』の内容を確認しましたが、どこの互助会でも最低限必要なものはとりあえず含まれています。

また、1口だけではなく、人によっては複数を申し込む場合もありますので、加入する口数については互助会で口数制限を確認してから決めてください。

そして、ここで非常に重要なことをお伝えします。

基本的に、事前に互助会へ支払ったお金だけでは葬儀費用の全部をまかなえないので注意をしましょう。

ちょっき

ここを理解していない人が非常に多いので注意してください。

互助会へ事前に支払うお金だけでは、正直なところ【少し物足りない内容】しかカバーできません。

もちろん、とても充実した施設や備品が使えますし、さらに費用の大幅な割引もされますが、それでも少し物足りない部分が出てくるのです。

そのため、ほとんどの人は、事前に支払った費用の他にも、お葬式のときに追加金を支払ってグレードアップさせます。

この事実を知ると「追加金を払うんじゃ互助会で積み立てをする意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、それでも互助会に入っていた方がいいですよ。

互助会で積み立てをすれば会員だけの大きな特典がありますので、お葬式のときに追加金が出たとしても、定価(非会員価格)で支払うよりもずっとお得です。

ですから、積み立てが終わったら、他にも必要になりそうなメニューの追加金を別途準備しておきましょう。

そのためには、事前によく契約コースの内容を確認し、不足しそうな部分をピックアップしておくことが大事です。

まとめ

互助会に入会して事前に費用を支払っておくことで、お葬式のときには充実した施設や備品を格安料金で使えたり、葬儀費用の大幅な割引が受けられます。

ですから、互助会に入っておけば、いざというときに葬儀費用をある程度は軽減できます。

また、互助会の特典は、引っ越し先でも引き継ぎが可能だったり、契約者の家族にも適用されるところも嬉しいポイントです。

ただし、互助会に入会しても、

  • お葬式のときに現金が支給されるのではなく、大きな割引やサービスを受けることにより出費が大幅に抑えられる
  • 『事前に支払った掛金』だけで葬儀費用の全部をまかなうことはできず、より満足のいく内容にするために多少の追加金を支払うケースがほとんど

という点には注意が必要です。

互助会は、しっかりと内容を理解していればとても利用価値の高いものです。

ちゃんと内容を理解した上で、それで「互助会に入った方がよい。」と判断したら、できるだけ早く積み立てを始めるようにしましょう。

※入会する互助会を探すときはこちらの記事を参考にしてみてください。

互助会はどこがいい?現役僧侶の私がおすすめする互助会5選

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