お葬式をする場合、遠方にある菩提寺の住職さんに来てもらうべき?

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お葬式遠方にある菩提寺住職さんに来てもらう?

菩提寺が遠方にあるんだけど、お葬式のときは菩提寺の住職さんに来てもらった方がいいの?

ちょっき

その質問はとても多いので本記事で詳しく解説しますね。

菩提寺が遠方にあるという場合、お葬式のときに住職さんに来てもらうべきか迷いますよね。

わざわざ遠くまで来てもらうのも何だか申し訳ないし、住職さんが高齢の方だとなおさらです。

先に結論を言ってしまいますが、距離に関係なくお葬式には菩提寺の住職さんに来てもらうのが原則です。

そして、菩提寺の住職さんに来てもらうために、喪主のするべきことがいくつかあります。

また、住職さんが来られない場合は、他のお坊さんにお葬式を依頼し、その準備をしなくてはいけません。

本記事は、現役僧侶の私が『遠方のお坊さんの手配』について詳しく解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を読むと・・・
  • 遠方から菩提寺の住職さんに来てもらう場合に喪主がするべきことが分かります
  • 菩提寺の住職さんが来られない場合の対処法が分かります
こんな人向けの内容です
  • お葬式をする場合、遠方にある菩提寺の住職さんに来てもらうのが何だか申し訳ない。
  • 遠方から菩提寺の住職さんに来てもらうときは何をすればいいの?
  • 菩提寺の住職さんが来られない場合はどうするんだろう?
少しだけ自己紹介

この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって29年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。

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お葬式をしたいけど遠方にある菩提寺の住職さんに来てもらうべき?

あなたの家のお墓が『お寺の敷地内にある』という場合、そのお寺はあなたの家にとって【菩提寺(ぼだいじ)】となります。

一方、そのお寺にとってあなたの家は【檀家(だんか)】となります。

菩提寺は、

  • 檀家のお墓を管理する
  • 檀家のお葬式や法事をすべて執り行う

という立場にあるお寺なので、あなたの家でお葬式をするときには必ず菩提寺の住職さんがお勤めをするのです。

しかし、あなたの自宅と菩提寺が遠く離れている場合、わざわざ遠くから菩提寺の住職さんに来てもらうのでしょうか?

また、もしも菩提寺の住職さんが来られない場合にはどうすればいいのでしょうか?

原則として菩提寺の住職さんに来てもらう

たとえ菩提寺が遠く離れていても、お葬式をするときは原則として菩提寺の住職に来てもらうという考えでOKです。

私たち僧侶は、檀家さんのご家族に不幸があれば、責任を持って丁重にお葬式を執り行います。

それが【菩提寺の責務】なので、たとえ寺から遠く離れた場所でもお葬式の依頼があれば現地まで向かいます。

ですから、ほとんどの住職さんは【菩提寺の責務】を果たすために、葬儀式場が遠方であっても現地まで行くので、遠慮せずお葬式の依頼をしてください。

葬儀社の紹介のお坊さんに代わりをしてもらう

もしも菩提寺のお坊さんが来られない場合は、代わりに『葬儀社の紹介のお坊さん』へお葬式を依頼しましょう。

ほとんどのお坊さんは、檀家さんからの依頼があれば遠くても現地まで行ってお葬式をします。

しかし、お坊さんの中には「遠すぎると現地まで行かない」という人もいます。

これは、住職さんが高齢である場合に多く、長距離の移動は体への負担が大きいため断られてしまうのです。

でも、ただ単に「遠いからヤダ!」っていう坊主もいますが、そんなロクでもない坊主とは付き合いを解消した方がいいですね。

ちゃんとした事情があって来てもらえない場合は、葬儀社から『代わりのお坊さん』を紹介してもらいましょう。

葬儀社はいろんな宗派のお坊さんと提携しており、お葬式の打ち合わせのときに【あなたの家の宗派】を伝えれば、それに合わせてお坊さんを紹介してくれます。

しかも、葬儀社から紹介されたお坊さんは【ハズレのお坊さん】がほとんどいないのです。

葬儀社は少しでも変なお坊さんとは提携をしません、大事なお客様のお葬式をしてもらうわけですから当然のことですよね。

また、葬儀社から紹介されたお坊さんへ納めるお布施は安い傾向にあります。

これは、お客様の負担を減らすため、提携しているお坊さんに納めるお布施の金額を葬儀社が決めているからです。

このように、葬儀社の紹介のお坊さんは、

  • 信頼できる
  • お布施が安い傾向にある

ので、菩提寺の住職さんが来られない場合は検討してみてください。

遠方にある菩提寺の住職さんに来てもらう場合に喪主がすること

あなたの家の菩提寺の住職さんが【まともなお坊さん】であれば、遠方でもちゃんと来てくれるはずです。

菩提寺の住職さんが遠方から来てくれる場合、喪主はいくつかすることがあります。

それは、

  • 電話で戒名の件などの打ち合わせをする
  • 住職さんのために宿泊場所を用意する
  • 交通費として、少しだけ多めに【御車代】を包む

ということです。

電話で戒名の件などの打ち合わせをする

お葬式に関して打ち合わせをするのは葬儀社だけではありません。

戒名の件などについては、菩提寺まで出向いて住職さんと直接話をします。

しかし、菩提寺が遠方にあって、さらにお葬式の準備で忙しいあなたはそれができないでしょう。

ですから、お寺には行かず『電話』で打ち合わせをしましょう。

故人の戒名を授けてもらうには、故人の、

  • 名前
  • 亡くなった日
  • 年齢
  • 性別
  • 人柄
  • 趣味や好きだったもの
  • 職業

などを、できるだけ詳しく正確に住職さんへ伝えてあげてください。

住職さんとしては、故人に関する情報が多いほど良い戒名をつけやすくなります。

故人に関する良いところ、悪いところ、本当に何でもかまいませんので思いつくこと全部を住職さんに伝えてください。

また、戒名の他にも、

  • お葬式当日の大体の流れ
  • お葬式で納めるお布施の金額の目安
  • 今後の故人の供養に関すること

などについて話をします。

このとき、住職さんと話したことはちゃんとメモをしておきましょう。

住職さんの宿泊場所を用意する

遠方から住職さんが来る場合は、できるだけ住職さんの宿泊場所を用意してあげてください。

お坊さん側としては、遠方でのお葬式はどうしても宿泊が必要なので、宿泊場所を用意していただけると非常に助かるんですよね。

ここからは、私の【宿泊場所を用意してもらったときの体験】をもとに、喪主さん達が実際にしてくれた『ありがたい心遣い』について書いていきます。

葬儀式場から徒歩5分以内の宿泊場所を予約する

ぜいたくを言って恐縮ですが、お坊さんとしては葬儀式場から徒歩5分以内の宿泊場所を予約してもらえると本当に助かります。

お坊さんがお葬式をするためには、いろんな道具や衣服が必要です。

それらをすべて専用のバッグに入れて持ち運ぶのですが、これがけっこう大きくて、しかも重いんですよね。

なので、葬儀式場から宿泊場所が近いと非常に助かります。

しかも、葬儀式場から近ければ、もしも宿泊部屋に忘れ物をしてもすぐに取りに帰れるので安心なんです。

ということで、葬儀式場からすぐ近くに宿泊施設がある場合は、そこに予約をしていただけると本当にありがたいです。

宿泊プランは朝食付きで予約をする

喪主がお坊さんの宿泊場所を予約してくれると非常にありがたいです。

それだけでも十分なのですが、喪主によっては朝食付きで予約をしてくれる人もいました。

朝はレストランなどが営業していないですし、朝の時間に余裕もできるので『朝食付き』はとても嬉しいんですよね。

あなたも、住職さんの宿を『朝食付き』で予約すると、きっと喜ばれますよ。

宿泊場所に駐車場の確保をする

遠方であっても新幹線や飛行機を使わず自動車で行くというパワフルな住職さんもいます。

そういう住職さんには、宿泊場所に駐車場の確保をしてあげると喜ばれますよ。

宿泊施設によっては駐車台数が少なく、せっかく部屋を予約しても駐車場が満車なんてこともあるんですよね。

なので、喪主から「駐車場に1台分おさえておきましたからね。」なんて言ってもらえると本当にありがたいのです。

もしも宿泊場所の駐車場を予約できない場合は、最寄りの有料駐車場の場所を教えてもらえるだけでも嬉しいですよ。

宿泊費用は喪主が負担をする

最後のこれはお坊さんの立場として非常に言いづらいのですが、ここはあえて本音でいきます。

僕は20年以上お坊さんをしてきて、遠方でのお葬式を何度も経験しましたが、宿泊費用はすべて喪主さんが支払ってくださいました。

もちろん、これは『たまたま今までは喪主さんたちが支払いをしてくださった』というだけですから、あなたも同じようにしてくださいとは言いません。

ただ、喪主によっては宿泊費を負担をするという非常にありがたい【心遣い】をしてくださる方もおられますよ、とお伝えしておきます。

交通費として、多めに【お車代】を包む

これまたお坊さんとしては言いづらいのですが、ここも本音でいきましょう。

遠方でのお葬式の場合、ほとんどの喪主は交通費として多めに【お車代】を包んでくださいます。

もちろん、これも喪主の【心遣い】であって、あなたも同じようにしてほしいわけじゃありません。

お寺が近い場合は【お車代】なんて必要ありませんが、遠方から住職さんが来る場合は少し【心遣い】をしてあげてもいいかもしれませんよ。

葬儀社の紹介のお坊さんに代わりをしてもらう場合に喪主がすること

菩提寺との距離によっては、住職さんが来られないということもあります。

そのようなときには、葬儀社にお坊さんを紹介してもらいましょう。

ただし、その場合はいくつか喪主がすべきことがあります。

菩提寺の住職さんに戒名を授けてもらう

葬儀社から紹介されたお坊さんにお葬式をしてもらう場合は、事前に菩提寺の住職さんに戒名を授けてもらい、他のお坊さんに代行してもらうことを説明しておきましょう。

じつは、他のお坊さんが代わりにお葬式をする場合でも、必ず菩提寺の住職さんに戒名を付けてもらうという《お坊さん同士のルール》があるのです。

なので、葬儀社から紹介されたお坊さんにお葬式をしてもらうことを菩提寺の住職さんに伝えておいてください。

住職さんとしても、戒名はちゃんと自分が授けることができ、そしてちゃんと代行してくれるお坊さんがいると分かれば安心なんですよね。

ということで、菩提寺があるのに【紹介されたお坊さんに戒名を授けてもらう】なんてことをしないように注意してください。

菩提寺から授かった戒名を葬儀社へ伝える

菩提寺の住職さんから戒名を授けてもらったら、その戒名をすぐに葬儀社へ伝えてください。

葬儀社は提携しているお坊さんへお葬式を依頼するとき、お葬式の日程や場所の他に【喪主が菩提寺から授かった戒名】も伝えます。

ですから、喪主が葬儀社へ【菩提寺から授かった戒名】を伝えないと、葬儀社は提携しているお坊さんへ故人の詳細について連絡ができないのです。

依頼を受けるお坊さんの方も、位牌を用意しなきゃいけませんから、できるだけ早く故人の詳細を知りたいんですよね。

なので、菩提寺から戒名を授かったら、すぐに葬儀社への連絡をお願いします。

お葬式の当日は葬儀社から紹介されたお坊さんへ御礼を言う

お葬式の当日、喪主はお坊さんの控室へ挨拶をしに行きます。

このとき、挨拶と一緒に【菩提寺があるのに代行してもらうこと】に対して御礼を言っておきましょう。

お葬式を代行するお坊さんとしては、正直なところ「結局は代わりなんだよな・・・。」と思ってしまうんです。

もちろん、お葬式は一生懸命お勤めをしますよ、代行だからといって手抜きなんかしません。

でもやっぱり、自分は『代行』にすぎないという意識はどこかにあります。

なので、喪主がそのことにちゃんと御礼を言ってくれると、「あぁ、分かってくれているんだな。」と思って、気持ちが入ります。

すみませんね、わがままなことを言って。

でも、これが代行するお坊さんの本音なんです。

まとめ:どんなに遠方でも、お葬式を勤めるのは原則として菩提寺の住職。

自宅と菩提寺が遠く離れていると、「お葬式をする場合、菩提寺の住職さんに来てもらった方がいいのかな?」という疑問にぶつかります。

どんなに遠方であっても、原則としてお葬式は菩提寺の住職さんに依頼するものです。

また、お坊さん自身も基本的にこの考え方でいますので、たとえ遠方であっても現地まで出向くお坊さんがほとんどです。

ですから、遠慮せずにお葬式の依頼をしてかまいません。

遠方から来てもらう際には、

  • 電話で戒名の件など事前の打ち合わせ
  • 住職さんの宿泊場所の確保

をしておきましょう。

しかし、場合によっては菩提寺の住職さんが来られないこともあります。

そのようなときには、葬儀社からお坊さんを紹介してもらい、代わりにお勤めをしてもらいましょう。

菩提寺の住職さん、葬儀社の紹介のお坊さん、どちらもちゃんとお葬式を執り行ってくれますが、本来は『菩提寺の住職の役目』であることは覚えておいてくださいね。

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