霊柩車とは違うの?寝台車の詳細や手配方法について僧侶が解説。

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「寝台車の手配」という文字の背景にある黒いミニバン

寝台車って何ですか?

ちょっき

遺体を搬送する車両のことです。

病院で亡くなった場合、遺体をずっと病院へ安置しておくことはできません。

そのため、遺体を【寝台車】に乗せて、できるだけ早く『自宅』や『葬儀社の霊安室』などへ移送する必要があります。

家族が亡くなると、ほとんどの場合は【寝台車】を利用しますので、予習のつもりで読んでみてください。

この記事を読むと・・・
  • 寝台車がどんな車両であるか分かります
  • 寝台車の手配の方法が分かります
こんな人向けの内容です
  • 寝台車と霊柩車の違いがよく分からない
  • どうやって寝台車を手配するのか知っておきたい
少しだけ自己紹介

この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって29年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。

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寝台車とは何?

遺体を搬送するときには【寝台車】を利用します。

葬儀社が提供している葬儀プランの内容を見ると、そこには必ず寝台車の項目が入っています。

ほとんどの人が利用するものなので、今のうちから寝台車について知識を入れておきましょう。

寝台車とは

病院で人が亡くなった場合、遺体を自宅か葬儀社の霊安室に搬送しなければなりません。

自家用車で搬送することもできますが、遺体は慎重に取り扱う必要があるため、実際には葬儀社に依頼するケースがほとんどです。

葬儀社が所有しているような《遺体を搬送するための車両》のことを【寝台車】といいます。

寝台車は一般の車両と外観は変わりませんが、内部の構造は違います。

寝台車はストレッチャーが固定できるようになっており、納棺をしなくても遺体を搬送することができます。

そして、内部には冷却設備があるため、搬送中も遺体を安全かつ適切な状態で保てるようになっています。

なお、遺体を搬送する業務は《営業行為》となるため、寝台車には貨物自動車運送事業法に基づいて緑色のナンバープレートが付けられています。

緑色のナンバープレートは特定業務に特化した車であることを表し、ちゃんと許可を受けていることを証明するものです。

寝台車の車種

寝台車に使用される車種は大体決まっています。

私が見てきた中では、

  • エスティマ
  • アルファード
  • ステップワゴン
  • ノア
  • セレナ

が多いです。

寝た状態の遺体を搬送するので、寝台車にはサイズの大きい車両が使用されます。

また、寝台車は、見た目は普通の乗用車と同じで、色もほとんどが黒やシルバーなので、多くの人はそれが寝台車であると気が付かないでしょう。

寝台車と霊柩車の違い

遺体を搬送するための車両は寝台車の他にも【霊柩車】があります。

どちらも遺体を搬送する車両ではありますが、それぞれ役割が違います。

寝台車は、病院等から自宅や葬儀社の霊安室へ搬送するとき、そして自宅から葬儀式場へ運搬されるときに使用されます。

一方で霊柩車は、お葬式が終わった後に、棺桶に納められた故人を火葬場へ搬送するために使用される車両です。

以前は、霊柩車といえば【宮型】と呼ばれる《輿(こし)》が乗った車両が主流でした。

宮型の霊柩車は非常に目立つため、500メートル離れていてもその存在が分かるくらいです。

そのため、最近では宮型の霊柩車を使用せず、見た目が普通の乗用車と同じような洋型を利用する人がほとんどです。

霊柩車については、別記事『よくある霊柩車の疑問を解消!霊柩車の種類や費用について僧侶が解説。』で紹介していますので、こちらを読んでみてください。

ちなみに、寝台車や霊柩車を運転するための特別な免許は必要ないので、普通自動車第一種運転免許があれば誰でも運転できます。

しかし、運転ができるだけでは寝台車や霊柩車の運転手は務まらないでしょう。

普通の貨物ではなく遺体を搬送するわけですから、遺体の取り扱いに関する専門的な訓練と、故人と遺族に対する適切な配慮ができる必要があります。

寝台車の手配の方法

ここからは寝台車の手配の方法について解説していきます

誰に寝台車を手配すればいいの?

いざというときに寝台車を手配しようと思っても、誰に依頼すればいいのか分からないですよね。

寝台車は【葬儀者】に手配しましょう。

どこの葬儀社も基本的には24時間対応をしているので、連絡をすれば寝台車が来てくれます。

病院で亡くなった場合は、病院が葬儀者を紹介してくれるので、その葬儀社で寝台車を手配することができますが、すでに付き合いのある葬儀社があれば、そこに手配してかまいません。

また、病院から紹介してもらった葬儀社で寝台車を手配したとしても、その後のお葬式は他の葬儀社に任せても問題はありません。

ただし、搬送だけを頼む場合は、その葬儀社に「遺体の搬送だけをお願いします」とちゃんと伝えておきましょう。

寝台車の料金

寝台車を利用するには、それ相応の料金が発生します。

寝台車の利用料金は葬儀社によって違いますが、ここでは一般的な価格を紹介します。

基本料金

寝台車を利用するにあたり『基本料金』があります。

基本料金は《遺体を迎えに行くまでの距離》と《遺体のある場所から安置場所までの距離》をもとに算出されます。

一般的には、走行距離が10kmまでの場合は【1万円~3万円程度】が相場です。

それ以上の距離の場合は、10km延長ごとに【3千円~6千円】が追加されていくことが多いです。

車両留置料

寝台車を利用するにあたり、そのときの状況によっては他にも【車両留置料】がかかります。

車両留置料は、遺族の都合で寝台車を待機させるときに発生する料金です。

タクシーの配車サービスを利用したときには『待機料金』が発生することがありますが、寝台車の車両留置料はこれと同じです。

車両留置料は、30分ごとに【2千円~5千円】というのが相場となっています。

その他の追加料金

病院で亡くなった家族の遺体は、自宅に移送するというケースが多いです。

病院で亡くなってしまった故人を、まずは慣れ親しんだ自宅に帰してあげたいと思うのが遺族の心理ですよね。

しかし、一軒家ではなくマンションなどの集合住宅に住む人も多く、住宅の条件によっては別途料金が発生することもあります。

例えば、エレベーターが使えないなど、通常の搬送ではない場合は割増料金となることがあるのです。

他にも、

  • 深夜・早朝割り増し
  • 高速道路・有料道路の使用
  • 搬送時の防水シーツや棺の料金
  • ドライアイスの料金

などがあります。

葬儀社によって料金は異なりますが、諸々を合計すると寝台車を手配したら5万円程度かかると想定しておくとよいでしょう。

遠方から搬送する場合

人はいつどこで亡くなるか分かりませんので、出張先や旅行先などの自宅から遠く離れた場所で亡くなることもあります。

遠方で亡くなった場合は寝台車の料金に注意

亡くなった場所によっては船や飛行機で遺体を移送することもあり、その場合は、諸々を含めて【15万円~30万円】程度は必要となるでしょう。

また、寝台車で行ける場所でも、遠方なので長距離を往復することになり金額が大きくなります。

しかも、遠方の病院で亡くなった場合は、早く遺体を他の場所へ移送する必要があるので、付き合いのある葬儀社に手配をすると寝台車の到着までに時間がかかりすぎてしまいます。

さらに、葬儀者によっては長距離搬送を請け負っていないところもあるんですよね。

そのため、遠方で亡くなった場合は、死亡場所の地元の葬儀社に《片道の運搬》だけを依頼するケースが多いです。

遠方で亡くなった場合は先に火葬した方がよい?

遠方で亡くなった場合、「先に現地で火葬をして、お骨を持って帰る方がよい。」という意見の人もいます。

たしかに、現地で火葬をした後に公共交通機関を利用して帰れば費用はグッと抑えられます。

しかし、故人に親戚や友人がほとんどいない、または遺体の損傷が激しい場合以外は、ちゃんと遺体のまま搬送をした方がいいと思いますよ。

お葬式は故人にとって『最後の晴れ舞台』ですから、故人の姿をいろんな人に見てもらうべきです。

ちなみに、以前、私がいる寺の信者さんが旅行先で亡くなったことがありました。

そのときは、遺体の発見までに時間がかかったので、現地で火葬をしてから帰宅されました。

後日、自宅へ弔問に来た人たちから「最後に姿を見られなくて本当に残念だ」と言われたそうです。

やむを得ない状況だったとはいえ、遺族の方々も「主人の姿を見てお葬式ができなかったことが心残りだ。」と言っていました。

今のうちからお葬式に向けた準備をしておこう

あなたのように寝台車について調べている人は少数です。

あなたは今、いつか必ずやって来る《お葬式》についてちゃんと考え、すでに行動を始めています。

そんなあなたなら、いざというときでも慌てることなく対応をして、後悔のない『納得のいくお葬式』ができるでしょう。

別記事でも言っていますが、私は今のうちからお葬式に向けた準備をしておくことをおすすめしています。

近年では『終活』の一部として、お葬式に向けた準備をしておこうと考える人が増えていますが、多くの人は何をすればいいのか分からない状態です。

お葬式に向けた準備をするには【互助会に入る】ことが有効な手段になります。

互助会に入って葬儀費用の積み立てをしておけば、お葬式をするときの急な大出費を軽減できます。

また、互助会へ入るときはいろんな資料に目を通すので、お葬式の全体像が見えてきます。

他にも、互助会に入ることで、

  • 葬儀費用の大幅な割引きがある。
  • 充実した施設や備品を格安料金で使用できる。
  • 葬儀式場や遺体の安置所がすぐに確保できる。
  • 葬儀場以外の会員専用の施設が利用できたり、会員特典を受けられる。

といった大きなメリットがあります。

人はいつか必ず命を終えますので、お葬式をする日も必ずやって来るのです。

せっかくお葬式をするなら、充実した施設を利用し、納得のいくお葬式ができて、しかもお得な特典を受けられた方がよいと思いませんか?

《関連記事》:互助会に入った方がいい?互助会に入るメリットとデメリット

まとめ

人が病院で亡くなると【寝台車】で遺体を搬送します。

遺体を搬送する車両には霊柩車もありますが、寝台車と霊柩車は役割が違います。

寝台車は、病院等から自宅や葬儀社の霊安室へ搬送するなどに使用されます。

霊柩車は、棺桶に納められた故人を火葬場へ搬送するために使用される車両です。

家族が病院で亡くなった場合は、できるだけ早く寝台車を葬儀社に手配をしましょう。

寝台車の利用料金は『遺体のある場所まで迎えに行く距離』と『遺体のある場所から自宅や葬儀社の霊安室まで搬送する距離』で算出されます。

その他にも、状況に応じて

  • 深夜・早朝割り増し
  • 高速道路・有料道路の使用
  • 搬送時の防水シーツや棺の料金
  • ドライアイスの料金

などが発生しますので、寝台車の手配の費用は合計でだいたい4万円程度でしょう。

家族が亡くなると、ほとんどの人が寝台車を利用することになるので、今のうちに寝台車に関する知識を入れておきましょう。

※お葬式の準備をしておきたい人はこちらも読んでみてください。

【入会前に必読!】互助会の積立てコースによくある内容を紹介

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