【喪主の決め方】よくある『喪主は誰がやるの?』の問題を解決

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「喪主は誰がやるの?」という文字の背景にいる喪服姿の男女
こんな人に向けて書いています
  • 家族が亡くなった場合、喪主は誰がやるの?
  • もしものときは自分が喪主になると思うけど、間違いないか念のため確認しておきたい。
  • 自分には喪主なんて無理!喪主を他の誰かにやってもらうことはできないの?

お葬式を執り行うには、まず『喪主』を決めなければいけません。

『喪主』はお葬式の総監督をし、すべての責任を負う立場となりますので、家族でよく話し合いをして決める必要があります。

しかし、誰が喪主をやるべきなのかイマイチ分からないですよね?

結論を言うと、喪主に関する法的な決まりはなく、喪主は誰がやってもかまいません。

とはいえ、一般的に喪主をやるのは、故人の配偶者または長男長女であることがほとんどです。

この記事は、

  • 喪主を決めるときの基準や考え方
  • 『喪主』の概要

について解説しています。

最後まで読んでいただき、家族でしっかりと話し合って喪主を決めてください。

ちょっと自己紹介

この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって29年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。

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喪主は誰がやる?喪主の決め方

お葬式には『喪主』の存在が必要です。

喪主はお葬式に関するすべてを決定する立場で、喪主の判断や動き方でお葬式の良し悪しが決まります。

では、そんな喪主を誰がやるのかというと、じつは、喪主は誰がやってもいいのです。

相続とは異なり喪主については法的な決まりがないため、誰がやるかは家族で話し合って決めてかまいません。

そして、実際のところ、喪主は【故人との関係が近い血縁関係者】の中から優先順で決めることがほとんどです。

喪主を決めるための一般的な優先順は以下のとおり。

優先順続柄
配偶者(故人の妻・夫)
故人の長男
故人の次男以降の直系男子
故人の長女
故人の次女以降の直系女子
故人の長女の娘婿(長女の夫)
故人の親
故人の兄弟・姉妹

ただし、これはあくまで基準なので、家族でよく話し合って喪主を決めるようにしてください。

配偶者(故人の夫・妻)

喪主となる人で最優先されるのは、故人の配偶者です。

やはり、夫婦として故人と苦楽を共にしてきたわけですから、お葬式のときも喪主となることが多いです。

私が今まで見てきた限り、50%は【故人の配偶者】が喪主をやっています。

ですから、まずは【故人の配偶者】となる人を最優先にしましょう。

ただし、故人の配偶者がそれなりの高齢者であれば少し考えなくてはいけません。

喪主は、限られた時間の中でたくさんのことを判断しなければならず、それは高齢者にとって非常に難しいことですし、心身ともに大きな負担となります。

したがって、故人の配偶者が高齢である場合、立場上だけ『喪主』となってもらい、実働は他の家族がするのがいいですよ。

故人の長男

喪主をやる人で【故人の配偶者】の次に優先されるのは、故人の長男です。

昔は『家督かとく制度』があり、長男の権限と責任はとても大きなものでした。

ですから、お葬式でも長男が喪主になることは当たり前だったんですよね。

その影響で、現在でも長男が喪主を務めるケースはとても多いです。

あとは、先ほども言いましたが、故人の配偶者が高齢である場合は長男が喪主をやることもよくあります。

故人の配偶者が高齢である場合は、実際のところは長男を中心に他の家族がいろいろと動きます。

それで結局は長男が喪主となるのです。

喪主の仕事は、お葬式当日の後にもいろいろとありますから、故人の配偶者が高齢である場合は【長男が喪主をする】という方が無難でしょう。

故人の次男以降の直系男子

長男が喪主をやらない場合は、故人の次男以降の直系男子が喪主をやるのが一般的です。

日本では【男性を優先させる】という時代遅れな習慣がいまだにあり、長女がいたとしても男性の方を優先させることが多いです。

ですから、多くの人に参列してもらう場合は、男性を喪主にしておいた方が後でアレコレ言われずにすみます。

しかし、参列者が家族だけのお葬式であれば、喪主の性別なんて気にする必要はありません。

故人の長女

故人に男性の子供がいなければ、故人の長女が喪主をやることもあります。

喪主を配偶者以外の人にする場合、基本的に【直系血族】が優先されます。

したがって、故人に男性の子供がいなければ、必然的に女性の子供が喪主をやることになるんですよね。

そして、女性の子供が複数人いれば、まずは長女が優先されるというわけです。

故人の次女以降の直系女子

長女が喪主をやらない場合は、故人の次女以降の直系女子 が喪主をやるのが一般的です。

故人には男性の子供がいない、そして長女も喪主ができない。

となれば、順番的に故人の次女以降の直系女子となります。

長女の娘婿(長女の夫)

故人に女性の子供しかいない場合、長女の娘婿(長女の夫)が喪主をやるということもあり、このケースは意外に多いです。

もしも故人に《結婚をした長女》がいたとしても、長女は他の家に嫁いだ立場なので、嫁ぎ先の主人である【長女の夫】が代表者となります。

それで、長女の親のお葬式であっても、長女の夫が喪主となるわけです。

これもやはり何事も男性を優先するべきという日本の古臭い習慣が影響しています。

しかし、最近ではそのような習慣もだんだんと無くなり、結婚をした長女自身が喪主をするケースも増えてきました。

故人の親

人はいつ命を終えてしまうか分かりません。

ときには若くしてこの世を去ってしまうこともあります。

そのような【故人が若くして亡くなった】場合は、故人の親が喪主になります。

親にとって我が子に先立たれることほどツラいものはありませんよね。

愛する我が子が棺の中に納められているんです、その悲しみがどれほどのものか。

ですから、あまりのショックで故人の両親がともに【喪主をできる状態ではない】ということもあり、そのような場合は、両親に代わって【故人の祖父母】が喪主をすることもあります。

故人の兄弟・姉妹

人にはそれぞれの生き方があり、あえて結婚をしないという人も大勢いますよね。

そのような独身の人が亡くなり、また、すでに両親も他界しているという場合は、故人の兄弟や姉妹が喪主をすることになります。

ただ、独身の故人がそれなりの高齢者である場合、故人の兄弟や姉妹も同じくらい高齢なわけです。

高齢者が喪主をやるのは難しいので、故人の兄弟や姉妹が喪主をできない場合は、故人の甥が喪主をやるということもあります。

喪主はどんなことをするの?

喪主を決めるときの基準はすでに解説しました。

しかし、喪主をやるにしても「喪主は何をしなくちゃいけないの?」と疑問に思いますよね。

喪主のやることは本当にたくさんありますが、ここでは、喪主のやることを大まかに紹介しておきます。

喪主がやることは、

  1. 病院への支払いと死亡診断書の受け取り
  2. 葬儀社の手配と打ち合わせ
  3. 寺院へ連絡し、お葬式の日程、戒名などの打ち合わせ
  4. 死亡届を書いて役所へ提出
  5. 家の中を掃除して、ご遺体を安置する
  6. 訃報を伝える
  7. 料理、返礼品、供物、供花などの注文を取りまとめ、各業者へ発注する
  8. お通夜、お葬式を執り行う
  9. お通夜、出棺、火葬場での食事のときの挨拶
  10. 後飾りをして、後日に自宅訪問をしに来る人の対応
  11. 香典返しの手配
  12. 49日忌の手配
  13. 金融機関や役所へ、死亡や名義変更の申請

です。

ご覧のとおり、大まかに紹介しただけでも喪主がやることは山ほどあるんですよね。

とはいえ、この中には葬儀社が代行してくれる項目もあります。

しかし、短い期間で多くのことをしなくちゃいけないので、かなりハードスケジュールになることは間違いありません。

このハードスケジュールをしっかりとこなすのは高齢者では無理です。

喪主を決めるときには【しっかりと判断して動ける人】を選ぶようにしましょう。

【関連記事】:お葬式で喪主がやることはコレ!事前の準備からお葬式後までの動き

喪主と施主の違いは何?

ときどき「喪主と施主は何が違うんですか?」という質問をされます。

たしかに『喪主』と『施主』の違いは分かりにくいですよね。

お葬式の生花の名札についても、『喪主』と書かれている場合もあれば『施主』の場合もあります。

『喪主』と『施主』の違いは、

  • 【喪主】:お葬式の代表者(総責任者)となる人
  • 【施主】:お葬式に関する費用を負担している人

ということです。

ですから、『喪主』と『施主』というのは意味が全然違います。

しかし、実際のところは、喪主となる人がお葬式の費用の負担をすることがほとんどです。

それで、多くの場合は『喪主』と『施主』が同一人物となるため、それぞれの違いが分からなくなってしまうんですね。

喪主をする人の年齢はどれくらい?

統計では、初めて喪主をやる人の平均年齢は『47歳』です。

喪主は短期間の中でいろんなことを判断しなきゃいけません。

ですから、喪主をする人にはある程度の【経験と知識】が必要になってきますので、年齢的に【中年】くらいの方がいいです。

20代前半くらいの若い人だと【経験と知識】がまだ足りず、喪主をするのはかなり大変ですが、中年であれば【経験と知識】は十分にあります。

ちなみに、私が今までお葬式を見てきて、喪主となる人の年齢はだいたい50歳〜75歳です。

これくらいの年代になると【自分の親】が亡くなる確率が高くなっています。

また、この年代では【自分の配偶者】が亡くなることも多くなってきます。

ですから、50歳前後あたりから喪主をやる可能性が急に増えるんです。

喪主をやりたくない場合はどうするの?

喪主をやるのはとても大変なことなので、もしかすると喪主の候補となる人が「喪主なんてやりたくない!」と言うかもしれません。

どうしても嫌なら喪主をしなくてもかまいません、というか、してはいけません。

他の遺族か親族で「じゃあ、私が喪主をやるよ。」と言ってくれる人に代わってもらいましょう。

やりたくないと言っている人に喪主をさせたら、納得のいくお葬式はできません。

なぜなら、お葬式のすべてにおいて、よく考えずに決めてしまうからです。

きっと、あらゆることを『価格の安さ』だけを基準にして決めるでしょう。

何でもそうですが、『価格の安さ』だけで物事を判断すると必ず後悔します。

価格が安いものを選ぶほど、使用する物やサービスの質は低下します。

故人にとって本当に最後の晴れ舞台なのに、悔いの残るものになってしまっては故人が気の毒です。

冒頭でも言いましたが、喪主は誰がやってもいいので、嫌がっている人ではなく、少しでもヤル気のある人が喪主をしてください。

しかし、もしかすると《誰も喪主をやりたがらない》ということもあるかもしれません。

もしも誰も喪主をやりたがらない場合は、お葬式そのものをしない方がいいです。

ひとまず火葬をして、その後のことを家族みんなで腹を割って話し合ってください。

まとめ

喪主というのは誰がやってもかまいません。

喪主はお葬式のあらゆることを決める【お葬式の総監督】となる人で、大切な家族のお葬式がどのようなものになるかはすべて喪主次第です。

ですから、喪主は家族でしっかりと話し合って決めましょう。

喪主は以下のとおり【故人との関係の近さ】で決めます。

  1. 配偶者(故人の夫・妻)
  2. 故人の長男
  3. 故人の次男以降の直系男子
  4. 故人の長女
  5. 故人の次女以降の直系女子
  6. 故人の長女の娘婿(長女の夫)
  7. 故人の親
  8. 故人の兄弟・姉妹

しかし、これはあくまで基準でしかありませんので、家族みんなの年齢や生活環境などをふまえて柔軟に考えてください。

喪主をやるのは本当に大変ですが、故人の【本当に最後の晴れ舞台】のため、後悔のないように心を込めて送り出しましょう。

※喪主をするにあたり、互助会へ入会している人はこちらの記事を読んでおいてください。

【入会前に必読!】互助会の積立てコースによくある内容を紹介

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