お葬式をするときは遺族以外に誰を呼べばいいの?
あなたのような疑問を持つ人はとても多いですよ。
お葬式に呼ぶ人の範囲というはのはだいたい決まっています。
ただし、葬儀形式によって呼ぶ人の範囲が変わるので、まずは『どんなお葬式にするのか』を決める必要があります。
いざというときに慌てないよう、今のうちから『葬儀形式』と『お葬式に呼ぶ人』を決めておきましょう。
- お葬式に誰を呼べばいいか分かります
- 訃報を知らせる方法が分かります
- お葬式に呼ばなかった人への対応が分かります
この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって29年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。
そもそもお葬式に遺族以外の人を呼ぶべきなのか
お葬式をするときには、遺族だけでなく、
- 親族
- 友人
- 職場の上司や同僚
- 地域の隣人
など【故人と縁のあった人】が参列します。
では、お葬式でこれらの【故人と縁のあった人】をみんな呼ぶべきかというと、そんなことはありません。
どんなお葬式をして、誰を呼ぶのかというのは遺族が自由に決めて大丈夫です。
お葬式に呼ぶ人は『故人の遺志』をふまえて、遺族でよく話し合って決めてください。
ですから、たくさんの人に参列してもらいたいと思うなら広い範囲まで訃報の連絡をしてください。
逆に、近親者だけで執り行いたいなら、限られた人だけに参列してもらい、他の人にはお葬式が終わった後に報告をしましょう。
もちろん、遺族以外は誰も呼ばない、という選択肢もあります。
ただし、呼ぶ人を制限しすぎると後になって文句を言われる可能性もあるので、近しい親戚くらいは呼んでおいた方が無難です。
お葬式に呼ぶ人の範囲
お葬式に呼ぶ人は【葬儀形式】によって変わります。
葬儀形式には、
- 一般的なお葬式
- 家族葬
- 一日葬
- 直葬
があるので、それぞれ『お葬式に呼ぶ人の範囲』を紹介していきます。
ただし、本記事で紹介する『お葬式に呼ぶ人の範囲』は決まりやマナーではなく、あくまで【目安】であることをご了承ください。
一般的なお葬式
お葬式にはいくつかの形式がありますが、やはり『一般的なお葬式』をするケースが多いです。
一般的なお葬式をする場合、故人からみて、
- 直系の親族
- 3親等以内の親族
- 親しい友人
- 職場の同僚や上司
- 地域の隣人
といった範囲の人たちに参列してもらいます。
一般的なお葬式では、故人と縁のあった人みんなに訃報の連絡をしますので、それだけ参列者の数も増えます。
参列者の数はだいたい【50人~300人】となり、それなりに大きなお葬式となるでしょう。
また、お葬式に呼ぶ人数が多いと、当日の参列者数を予測することが難しくなります。
呼んだ人の全員が参列するわけではありませんし、逆に、どこで聞いたのか呼んでいない人が参列することもあります。
ですから、親族の参列者数は予測できますが、それ以外の人たちは予測できません。
予測したよりも大勢の人が来ると、料理や返礼品の数が足りなくなり、反対に、予測よりもずっと少ないと大量に余ってしまいます。
それで、喪主としては【足りなくなる】ことを避けたいので、料理や返礼品を少し多めに用意し、結果的に【ちょっと余る】ことが多いです。
家族葬
2000年頃から、故人と関係が近い人だけで行う『家族葬』が増えています。
家族葬には、故人からみて、
- 両親
- 子
- 子の家族
- 兄弟姉妹
という関係にある人が参列します。
そのため、参列者はかなり限定され、だいたいは【15人未満】です。
故人と近しい人だけが参列するので、料理や引き出物の数が少ないだけでなく、精神的な負担も少なくてすみます。
ここで僧侶の私からお願いがあります。
家族葬をする場合、式場、祭壇、棺桶、霊柩車などにはちゃんと質の高いものを使用してください。
「近親者しか来ないんだから、そんなにお金をかけなくてもいいよ。」と言って、価格の安いプランを選ぼうとする人がいます。
質の高いものを使用するのは見栄や体裁のためではありません。
故人に対する愛情や感謝を表し、故人の尊厳を守るためです。
参列者が少なくても、ちゃんとお金をかけて故人の『最後の晴れ舞台』を用意してあげてください。
《関連記事》:過度な期待は禁物!家族葬の費用の相場は、平均で100万円以上です。
一日葬
一般的なお葬式の場合、お通夜式とお葬式を2日間かけて行います。
しかし、近年ではお通夜式を省略してお葬式だけを行う『一日葬』をする人が急増中です。
とはいえ、一日葬は家族葬とは違うので、お葬式に呼ぶ人は一般的なお葬式と同じです。
つまり、一日葬をする場合は、故人からみて、
- 直系の親族
- 3親等以内の親族
- 親しい友人
- 職場の同僚や上司
- 地域の隣人
という人たちを呼びます。
これだと一般的なお葬式と同じように大勢の人が参列しそうに思えますが、実際にはそうはなりません。
お葬式というのは日中に行われるので、平日に行われる場合は参列者が自然と限定されるんですよね。
そのため、一日葬に参列するのは【50人未満】であることが多いです。
ただし、たとえ一日葬でも『土日祝日』に行う場合は参列者が多くなりますので注意してください。
直葬
最後に、葬儀形式の1つとして扱うかどうか迷いましたが、念のため紹介しておきます。
家族葬と同時期に増えてきたのが『直葬』です。
直葬とは、お通夜式やお葬式をせずに、最初から火葬場へ直行してしまうものです。
火葬だけをするので、呼ぶ人もごく少数となり、故人からみて、
- 両親
- 子
- 子の家族
- 兄弟姉妹
という関係にある人だけが同行します。
本当に故人と近しい人しか呼ばないので、同行人数は【10人未満】がほとんどです。
また、直葬は式をまったくしないため、親族以外の人たちから文句を言われる可能性がさらに高くなります。
僧侶の私としては、直葬はおすすめしません。
しかし、どうしても直葬にする場合は『直葬にした理由』をしっかりと説明できるようにしておきましょう。
お葬式に呼ぶ人への案内方法
お葬式をするときは、来てもらう人にできるだけ早くお葬式の案内をしなくてはいけません。
お葬式の案内方法には、
- 電話をする
- メール(LINE)を送る
- FAXを送る
などがあります。
電話をする
お葬式の案内方法で一番多いのは【電話】です。
電話なら、最も早く訃報を知らせることができ、さらに詳細を短時間で伝えられます。
また、参列する側としても、早めに知らせを受けた方が準備の時間に余裕ができます。
ですから、お葬式の案内は基本的に【電話】で行いましょう。
メール(LINE)を送る
お葬式の案内は【メール(LINE)】を送るという方法もあります。
電話の場合、
- 伝える側が、内容を言い間違えてしまう。
- 電話を受ける側が、内容を聞き間違える・聞き逃す・誤解する。
といったこともあります。
一方で、メールを送れば、お葬式の詳細を正確に伝えられ、それを後から確認することもできます。
また、メールなら式場の周辺地図などを添付できるので、参列者にとっては場所が分かりやすくて助かります。
ただし、『目上の人』にメールを送るのは避けた方が無難でしょう。
メールで送ることは一般化された方法ではないので、人によっては「メールで知らせるなんて失礼だ」と思う人もいます。
また、日頃からメールを確認する習慣のない人もいます。
ですから、まずは電話で連絡をして、その後に改めてメールで詳細を送るのがベストです。
FAXを送る
あなたのような年代の人なら、スマホやパソコンでメールのやり取りをすることに慣れています。
しかし、もっと上の年代になると、まともにスマホやパソコンを触ったことがない人も多くいます。
ですから、そのような人にはメールではなく【FAX】を送りましょう。
FAXなら、年配の人にも分かりやすい形で詳細を見てもらえます。
お葬式に呼ばなかった人への対応
お葬式を終えた後は『お葬式に呼ばなかった人』への対応をしなければなりません。
お葬式に呼ばなかった人には、
- 死亡通知状を郵送する
- 自宅まで弔問しに来た人の応対
といった対応をします。
死亡通知状を郵送する
お葬式に呼ばなかった人には、お葬式から2週間以内を目安に【死亡通知状】を郵送して死亡を知らせます。
このとき、通知を受けた人の中には「香典を送らなきゃいけない。」と思う人もいるでしょう。
しかし、お葬式の後に死亡を通知するときは香典をもらわないのが一般的です。
ですから、通知状の文中に《香典を辞退する旨》を記載しておくようにしましょう。
自宅まで弔問しに来た人の応対
死亡通知状を受け取った人の中には、あなたの自宅まで弔問しに来る人がいるでしょう。
そして、死亡通知状に香典を辞退する旨を書いていても、それでも香典や生花を持ってくる人も多いはず。
もしも香典を受け取ったら、49日忌が終わってから1か月以内を目安に『香典返し』を送りましょう。
しかし、生花をもらった場合は原則としてお返しはしないのが一般的です。
まとめ
お葬式に誰を呼ぶかは遺族が自由に決められます。
お葬式に呼ぶ人の範囲は葬儀形式によって変わるので、『故人の遺志』や『遺族の考え』をもとに遺族でよく話し合って決めましょう。
一般的なお葬式や一日葬をする場合は、故人からみて、
- 直系の親族
- 3親等以内の親族
- 親しい友人
- 職場の同僚や上司
- 地域の隣人
という関係の人を呼びます。
家族葬や直葬の場合は、故人の、
- 両親
- 子
- 子の家族
- 兄弟姉妹
の関係にある人を呼びます。
自分や家族のお葬式をする日はいつか必ずやってくるので、いざというときに慌てないように、今のうちから準備できることから始めておきましょう。
※お葬式の準備のために互助会に入るのも1つの方法です。