【そんな別料金があるの?】互助会の『早期利用費』をやさしく解説

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互助会の早期利用費

互助会で積み立てをすれば、お葬式のときにお得な特典があります。

しかし、いざお葬式というときに、「◯◯様は早期利用となりますので、別途費用が発生いたします。」と言われて驚いた、という声も聞きます。

『早期利用』とは、要するに【積み立ての途中でサービスを前倒しで利用すること】です。

この記事では、

  • 『早期利用』とは何なのか
  • 早期利用の費用はなぜ発生するのか

について分かりやすく解説しています。

互助会の仕組みをさらに一歩踏み込んで理解するために最後まで読んでみてください。

少しだけ自己紹介

この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって30年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。

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早期利用とは何?

互助会に入会し、『積み立てを始めて間もない段階でお葬式をする』ことを【早期利用】といいます。

じつは、この【早期利用】でお葬式をする場合、『早期利用費』という別途料金が発生するので注意が必要です。

互助会では、月々に数千円ずつ積み立てをしていくことで、いずれ来るお葬式に向けて準備ができます。

そして、互助会に入るときは、いくつかある契約コースの中から1つを選んで契約し、決まった金額を分割で支払います。

しかし、積み立てを始めてから間もない段階、例えば入会してから1ヶ月〜3ヶ月のように、ごく早い時期にお葬式となってしまうこともあるんですよね。

そうなると、積み立てた金額だけでは提供されるサービスの原価に足りない、という状況になってしまいます。

その問題を解消するために、どこの互助会でも『早期利用費』が設定されているのです。

『早期利用費』が必要となる3つの理由

『早期利用費』がなければ互助会は正常な運営ができません。

その理由について3つ紹介します。

積立金が不十分な状態でもサービスを提供するから

互助会に『早期利用費』が必要なのは、積立金が不十分な状態でも、お葬式ではちゃんとサービスを提供するからです。

互助会は、会員が積み立てをし、その積み立てた金額に相応したサービスを提供するというのが基本的なシステムです。

しかし、積み立てを始めて間もない会員がお葬式をすることになった場合、その会員は積立金が不十分な状態です。

それにもかかわらず、互助会は契約したサービスを提供しなくてはなりません。

例えば、

  • 毎月の積立金は3,000円
  • 加入から2ヶ月で葬儀を利用→積立金は6,000円
  • 提供されるサービスは36万円相当

といった場合、積立金がサービスの原価を大きく下回りますが、互助会はちゃんとサービスを提供します。

では、その差額分を誰がカバーするかといえば互助会、ひいては互助会を支えている他の会員です。

このような差額分を調整するために『早期利用費』が設定されているのです。

互助会の制度の趣旨に沿うため

互助会は、いずれ来るお葬式に向けて今から準備をしておく、という趣旨で組織されています。

そのため、長期的な視点で積み立てをすることが前提です。

もしも、加入後すぐに互助会を利用できる仕組みだと『いざという時だけ入会し、すぐにサービスを受ける』という人が出てきますよね。

そうなると、先ほど言いましたように、長期的に積み立てをしている人と、直前に入会してサービスを利用する人とで【不平等】が生じます。

互助会としては、会員の利益を損なうことには対策をしなくてはなりません。

そのため、「長期的な積み立てによってお葬式に備える」という互助会の制度の趣旨に沿うよう『早期利用費』を設定しているのです。

安全に運営をするため

『早期利用費』は、互助会を安全に運営するために必要なものです。

互助会は、会員の積立金をもとに将来のサービス提供に備えています。

つまり、会員の積立金が【預かり金】となり、互助会はそれを原資として設備投資やサービスを充実させているのです。

しかし、入会して間もなく早期サービスを利用する人が増えたら、互助会はどうなるでしょう?

まだ積立金が少ない状態でお葬式をする人ばかりだと、支出だけがどんどん増えていきます。

そうすると、将来のサービス提供が難しくなったり、運営に支障が出たりするなど、他の会員に不利益が生じてしまいます。

最悪の場合は、経営状態が悪化して倒産するので、多くの会員に迷惑をかけてしまうでしょう。

そうならないために、一定期間内に利用された場合は『追加費用をもらう』というルールを設けることで、互助会や会員の利益を担保しているのです。

『早期利用費』について確認しておくこと

『早期利用費』については、より具体的に確認しておくべきことがあります。

入会からどれくらいの期間は『早期利用費』が発生するのか

そもそも、入会してからどれくらいの期間のことを『早期』と呼ぶのでしょうか。

『早期』の期間については互助会によって異なりますが、だいたい入会から【90日】というところが多いです。

ちなみに、もっと厳しいところでは、入会から【180日】という互助会もあります。

人はいつ亡くなるか分からないので、想定よりもずっと早いタイミングでお葬式をすることになるかもしれません。

互助会へ入会するときには、必ず『早期利用費』について確認をしておいてください。

『早期利用費』の相場

続いて『早期利用費』の相場を紹介します。

『早期利用費』についても、やはり互助会によって異なります。

また、同じ互助会であっても、契約しているコースによって違うこともあるのです。

そのため、相場を紹介するのは難しいのですが、強いて言うならだいたい【2万円〜5万円】。

もしかすると「えっ、意外に高いな。」と思ったかもしれませんが、先述したように【互助会の仕組みを守るため】には必要な金額なのです。

互助会は悪ではない

やむを得ない事情があったとしても、早期利用をすれば別途費用が必要になります。

そんなシステムを知って「互助会に入っても損なのでは?」「結局はダマされてるの?」と、互助会を【悪】のように思うかもしれません。

しかし、互助会は、

  • 毎月積み立てることで負担を少なくお葬式の準備ができる
  • いざというときに家族が慌てずにすむ
  • お葬式の手配などがスムーズにできる

などの大きなメリットがある『心強い存在』です。

ただし、互助会は【毎月の積み立て】が前提となる仕組みのため、早期利用に関するデメリットがあることは仕方ありません。

ですから、互助会の大きなメリットを受けるためにも、ある程度の制限を受け入れましょう。

まとめ

互助会に入会していても『早期利用費』について知らない人は意外と多いです。

互助会は原則として『毎月の積み立て』でお葬式の準備をするものなので、それをよく理解し、納得した上で入会することが大事です。

ですから、互助会に入会するときには、

  • 早期利用の意味
  • 早期利用費の金額
  • 早期利用の対象となる期間

をしっかりと確認しておきましょう。

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