互助会について調べていると、
- 思っていたものと違う
- 十分な説明がされていない
といった【不満】の声を見かけることがあります。
では、実際に利用した人たちは互助会に対してどのような不満があるのでしょうか?
そして、どうすればそのような不満を解消できるのでしょうか?
この記事では、利用者の声から見えてきた『互助会に対する不満や疑問』をもとに、その原因と入会前にできる具体的な対策を紹介しています。
事前にポイントを知っておけば、不安を減らし、納得して互助会を利用できますので最後まで読んでみてください。

互助会でよくある7つの不満を紹介しますね。
この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって30年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。
【不満その1】積み立てをしたのに追加費用が発生した
父のお葬式のときに、父が生前に入会していた互助会を利用しました。
契約していたコースにすべてが含まれていると説明を受けたはずでしたが、実際には、
- 棺桶のグレードアップ
- 料理や返礼品の手配
- 遺影の更なる加工
などの追加費用が発生したのです。
なんだか『オプション商法』みたいで、契約時の説明とは違ったのでガッカリしました。
これは、積み立てを終えた後には支払うお金がないはずなのに、実際はいろんな追加費用が発生したことに対する不満です。
『基本コース』と『オプション』に注意
互助会を利用してお葬式をする場合、
- 基本コース
- オプション
があります。
そして、積み立てをすることで『基本コース』の部分をまかなうことができます。
しかし、一般的なお葬式をするには基本コースだけでは不十分なのです。
積み立てをしている『基本コース』の内容は、その名のとおり基本的なものだけ。
そのため、実際には、
- 棺桶のグレードアップ
- 料理や返礼品の手配
- 遺影の更なる加工
などの『オプション』の追加が必要になります。
しかし、どこまでが基本コースで、どこからがオプションなのかは、資料を見ただけでは分かりにくいのです。
そのため、いざというときになって、
- 最安値の棺桶しか使えない
- 料理や返礼品の代金がたくさんかかった
- 遺影の仕上がりがイマイチだった
などの不満が出てきます。
どのようにすればよかったのか
追加オプションに対する不満が出ないようにするためには、一体どのようにすればよかったのでしょうか?
積み立てをしているコースの中に【含まれていないもの】を事前に確認する
互助会に入会するときには、互助会側で用意したコースの中から1つ選んで積み立てをします。
そのときに、積み立てをするコースの中には【何が含まれていて、何が別料金なのか】をよく確認しておくことが大事です。
追加費用として抜けてしまいがちなのは、
- 料理の費用
- 返礼品の費用
- 僧侶へのお布施
- 棺桶、遺影、生花のグレードアップの費用
などです。
これらを踏まえて【実際にはどのくらい追加費用が必要なのか】を具体的に確認しておくと安心でしょう。
このとき、できるだけを費用を抑えたい場合は、その旨をしっかりと伝えておけば、互助会スタッフも事情を考慮した提案をします。
事前に費用を確認するときは、
- どのようなお葬式をしたいのか
- だいたいの参列者の人数
- 予算がどのくらいなのか
ということを伝えておけば、互助会スタッフもより正確な費用を出しやすくなります。
また、基本コースの内容は互助会によって異なります。
同じ積立金額であっても、あなたの希望に沿った内容かどうかは分からないので、必ず資料などで確認してください。
必ず複数の互助会を比較する
基本コースの内容の充実度は互助会によって異なります。
基本コースの内容は、互助会ごとの特色や地域の慣習などで変わりますので、同じ金額であっても人によって充実度は異なります。
お葬式において何を重要視するのかを決めて、必ず複数社のパンフレットを見比べながら検討しましょう。
それでも、互助会に入る意味がある
追加費用に対する不満の背景には『内容をしっかりと理解しないまま入会してしまった』というケースが多いのが事実です。
しかし、これは裏を返すと【内容を理解していれば安心して利用できる制度】でもあるのです。
互助会はもしものときに《まとまった出費》を抑えることができ、精神的に余裕を持つための備えでもあります。
大事なのは、何となく入会してしまわず、しっかりと理解と納得をして入会すること。
あなたがこの記事を読んでいるように、今はインターネットを使えば多くの情報が手に入る時代です。
ちょっとでも不安があれば、複数社の情報を集めて家族でよく比較検討してください。
改めて言いますが、一般的なお葬式をするには基本コースだけでは不十分で、ほとんどのお葬式では追加費用が発生します。
でも、それを承知の上で事前に対策をしておけば怖くはありませんよね。
【不満その2】解約返戻金が少ない
親の勧めで互助会に入会しましたが、事情が変わって1年で解約することになりました。
月々2,000円を12ヶ月間、合計24,000円支払いましたが、戻ってきたのはわずか6,000円程度。
事務手数料や初期費用を差し引かれるとは知らず、あまりに解約返戻金が少なくてショックでした。
入会してから早い時期に解約をすると、解約返戻金はとても少なくなります。
互助会の解約返戻金についてはトラブルも多いので注意しましょう。
なぜこのようなトラブルが起きるのか
互助会では、積み立てをすることで、いずれ受け取る『お葬式のサービス』の料金を【前払い】しています。
この【前払い】という性質上、支払い開始から一定期間は『解約手数料』が大きめに設定されていることがほとんどです。
積立金の一部は、事務手数料や会員管理費用、そして将来のサービス提供準備費用に充てられます。
そのため、早期解約があった場合、互助会としてはすでに使ったこれらの費用を積立金から差し引いてから返金する必要があるのです。
ですから、積み立てを始めてから間もない時期に解約すると、積立金に対して割高な解約手数料が発生するわけです。
それで、多くの人は「解約返戻金がとても少ない!」と感じて不満が出てしまいます。
しかし、これは早期の解約についてよく理解しないまま契約をしてしまったことが原因です。
互助会に入るときには、積み立てのことだけでなく【解約】についても理解しておきましょう。
《参考記事》:【保存版】互助会を解約(退会)する方法。解約したい理由や満期の後についても詳しく解説
解約返戻金のトラブルを避けるには
互助会に関するトラブルの多くは解約返戻金に関することです。
では、そのようなトラブルはどのようにすれば避けられるのでしょうか。
解約時の返金条件を事前に確認する
互助会の解約返戻金は、積立金の全額が戻ってくるわけではありません。
そのため、
- 解約手数料はいくらなのか
- 初期費用にいくら支払うのか
- どのくらい期間積み立てをすれば【元本割れ】をしないのか
ということを事前に確認しておきましょう。
解約返戻金について事前に理解しておけば、納得した上で互助会に入会できます。
長期利用することを前提に考える
互助会の仕組みは、いずれ来るお葬式に向けて長期的な視点で準備をするためのものです。
ですから、途中で辞めてしまう可能性が高いなら最初から互助会に入らない方がよいでしょう。
代わりに『定期預金』をしておいたり『葬儀保険』に入っておくのが現実的かと思います。
《参考記事》:【葬儀費用の準備】葬儀保険とは何なの?メリットとデメリットを詳しく解説
ちゃんと契約書や規約を読む
解約時のトラブルで多いのは、利用者の「そんなことは聞いてなかった!」という声です。
たしかに、トラブルの原因が互助会スタッフの説明不足というケースもありますが、利用者が契約書や規約をちゃんと読んでいなかったケースも多々あります。
互助会の約束事はすべて規約に書いてありますので、トラブルを避けるため、そして自分や家族を守るためにも、面倒くさがらずにちゃんと契約書や規約を読んでおきましょう。
そして、分からない箇所があれば必ず確認し、納得できるまで契約書にサインしないようにしましょう。
それでも互助会は意味がある
解約返戻金に関するトラブルの背景には『内容をよく理解しないまま契約してしまった」というケースが多いです。
しかし、裏を返せば、しっかりと内容を理解できれば安心して利用できる制度、とも言えます。
互助会は、突然の大きな出費に備えた【家族想いの準備】でもあります。
だからこそ大事なのは、誰かに勧められたから入るのではなく、自分が納得した上で入ることです。
今はとても便利になっており、資料請求や契約前の相談などが無料で簡単にできます。
解約時の条件、費用の使われ方、利用者の声など、しっかりと情報収集してから入会すれば、後悔するリスクも減らせます。
互助会の準備は焦ってするものではないので、不安を感じたら、とりあえず情報を集めることから始めてみましょう。
【不満その3】強引な勧誘に負けた
以前、互助会の営業の人に「今のうちから互助会に入っておかないと損をしますよ」と何度も勧められ、流されるままに契約をしました。
しかし、その後に息子から「そんなの必要ないよ」と言われました。
私も考え直し、解約したら返戻金はほんのわずか。
強引な勧誘に負けた私も悪いのですが、何だか騙された気分です。
互助会の勧誘については「強引だった」という印象を受ける人もいます。
どうすればよいのか
互助会の営業は、訪問販売で行われることも多いです。
その際、営業担当者の中には不安や焦りを煽って契約を迫る人もいるかもしれません。
そして、人によっては断りにくかったり、不安にかられて契約をする人もいるでしょう。
また、互助会の内容について十分な説明がされなかったことによるトラブルもあります。
では、強引な勧誘を受けた場合はどうすればよいのでしょう?
すぐに契約せず、必ず家族に相談する。
営業担当者に「今すぐにでも決めた方がよい。」と言われたとしても、すぐに契約をせず、必ず家族に相談しましょう。
貰ったパンフレットを見ながら、
- 本当に必要なのか?
- ちゃんと理解できる内容か?
- 葬儀保険や貯金で代替できないか?
などを、自分以外の人の視点からも冷静に見てもらいましょう。
訪問販売の場合は『クーリングオフ』ができる
強引な勧誘で契約してしまった場合は対処法があります。
訪問(対面)販売の場合は『クーリングオフ』ができます。
クーリングオフとは、契約してから【8日以内】であれば無条件で契約解除ができる制度のことです。
どうしても解約をしたくなったら、『契約解除通知書』などを作成し、書面または電磁的記録で解約を申し出ましょう。
ただし、クーリングオフができるのは訪問(対面)販売の場合であり、インターネット経由での申込みは対象外となりますので注意しましょう。
クーリングオフの制度は、あくまで《その場ではどうしても断れなかった》という人を救済するものであり、インターネットのように十分に考える時間があった人は対象外なのです。
クーリングオフの方法については別記事の『互助会との契約を【クーリングオフ】する方法と注意点を紹介』で紹介していますので読んでみてください。
それでも互助会は入る意味がある
強引な勧誘というのは不適切な行為です。
利用者としても、強引な勧誘により「説明が不十分なまま契約をしてしまった。」という気持ちになり、後悔をします。
しかし、正しい情報を得て、納得して入会できれば、互助会そのものは悪いものではありません。
積み立てをすることで将来の大きな出費に向けた準備ができる、そして安心して日々を過ごせることは互助会に入る大きなメリットです。
互助会への入会は、それが本当に必要かどうかをよく考えて決めることが大切です。
そのためには、できるだけ多くの資料を見ながら比較をして、家族でよく話し合う必要があります。
営業担当者も仕事なので、懸命に互助会への入会を促しますが、その場で決めてしまわないようにしましょう。
【不満その4】契約コースの内容が画一的だった
父のお葬式のときに互助会を利用しました。
父の生前の希望で【音楽葬】を考えていたのですが、相談してみると「そのようなプランには対応してないんです。」と言われました。
互助会の指定する会場、そして決まったコースの中からしか選べず、それはまるでセット商品。
後から友人に聞いた話では「地元の葬儀社なら自由に式を構成できたのに」と聞いて、とても後悔しました。
互助会に入会をするときには、まず契約コースを選び、その金額に応じて積み立てをしていきます。
しかし、契約コースの内容はあらかじめ決められており、それを「画一的だ。」と感じる人もいるのです。
どのように対策をすればよいのか
互助会では決められた内容(契約コース)が提供されているため、柔軟な対応が難しいという一面もあります。
また、原則として指定された式場や葬儀社を利用するので、希望する形式でお葬式ができず不満が出るのです。
では、どのように対策をすればよいのでしょうか?
希望する葬儀形式に対応しているか事前に確認する
一般的な形式でのお葬式ではなく、故人らしい『こだわり』のあるお葬式をしたい場合は、
- 希望の形式でのお葬式ができるか
- 指定されている式場はどのようなところか
- どこの葬儀社が指定されているか
- 葬儀社や式場の変更はできるのか
などを事前に確認しておくことで後悔のないお葬式が行えます。
互助会を利用する場合は、指定された葬儀社、式場、コース内容でしかお葬式ができず、他の葬儀社に変更できないことがほとんど。
そのため「自由にアレンジしたお葬式ができる。」と思っていたら、実際には多くの制限があり、不満が出てしまいます。
そのようなことを避けるために、事前に確認しておくことが重要です。
決まったコース内容だからこそお得に利用できる
契約コースに関する不満は、「希望するようなお葬式ができなかった。」という《不本意な結果》から生じます。
しかし、互助会の仕組みをちゃんと理解しておけば、納得して利用できる制度でもあります。
互助会には『葬儀費用の大幅な割引』というサービスがありますが、これはコースの内容が決まっているからこそ大幅な割引ができるのです。
例えば、『幕の内弁当』を低価格で買うことができるのは、同じ具材を大量に仕入れ、同じ内容のお弁当をたくさん作ることで単価を下げているからです。
互助会の契約コースもそれと似ており、お葬式で必ず使う小物類は同じものをたくさん仕入れたり、祭壇などをメンテナンスしながら使いまわすことで、1回あたりの葬儀費用を抑えています。
ですから、一般的な形式でお葬式をしたい人にとっては、互助会の契約コースを利用する方がお得なのです。
逆に、自由な形式のお葬式をしたい場合は、いわゆる『フルオーダー』となるため、費用は大きく膨らむでしょう。
どうしても『こだわり』のお葬式をしたいなら互助会を利用しない選択もある
互助会は費用面での安心感はあるのですが、サービスの内容が画一的になりやすいです。
一方で、互助会のない葬儀社では、費用面では少しだけ心配があるものの、利用者の希望する《自由な演出》にも柔軟に対応してくれることが多いです。
ですから、どうしても『こだわり』のお葬式をしたい場合は、互助会だけではなく他の葬儀社の資料も取り寄せてみるとよいでしょう。
互助会には入る意味がないのか
互助会は、一般的なお葬式を想定したコース内容が設けられています。
そのため、どうしても『自由な形式』でお葬式をしたい人にとっては、互助会に入るメリットは少ないでしょう。
とはいえ、多少のアレンジであれば、追加費用を支払うことで互助会でも対応をしてくれます。
ですから、互助会の仕組みとその他の葬儀社のプランを比較してみて、どちらにするかを家族でよく話し合うことが大事です。
今は資料請求も事前相談も無料でできる時代。
情報をしっかり集め、金額だけでなく自由度そして希望の実現可能度をよく考えることで、後悔のないお葬式をしましょう。
【不満その5】結局は『一括払い』の方がお得なのでは?
積み立てなら月々の負担が少なくて安心だと思っていましたが、いざ比較してみると、一括で支払った方がお得であることに気が付きました。
積み立てには手数料や事務費用が加算されている分だけ、総額では割高になるんですね。
それを知っていたら、積み立てはしなかったかもしれません。
互助会のサービスを受けるためには、『月々の積み立て』と『一括支払い』のどちらかで費用の支払いをします。
そして、基本的には『一括支払い』の方がお得ですが、それを知らなかったことで不満が出てしまうのです。
このような問題を起こさないために
互助会の積み立てのメリットは【月々の負担を抑えながらお葬式に向けた準備ができる】ということです。
しかし、積立金のすべてが葬儀費用に充てられるわけではなく、手数料や事務費用などが差し引かれます。
そのため、同じ内容のお葬式を《現金一括支払い》した方が総額ではお得になることもあるのです。
『積み立て』と『一括』の総額を比べてみる
積み立ては『月々◯千円』といったように、費用を【低額で長期的】に支払います。
ここで、支払い総額がいくらなのかを冷静に考えてみましょう。
そして、
- 積み立ての総額(手数料&事務費用を含む)と内訳
- 同じ内容を『一括支払い』で行う場合の総額
- 実際に必要となる追加費用の有無
これらの数字を比べて、本当に積み立ての方がよいかを判断してください。
積み立ては『将来の葬儀費用の一部を分割して前払いする』こと
互助会の積み立ては、言ってみれば『将来の葬儀費用の一部を分割して前払いする』ということです。
支払うべき費用の一部を分割しているだけで、最終的には契約コースで定められた合計金額を支払います。
そして、実際には追加費用もかかり、総額はさらに大きなものとなります。
しかも、積み立ては手数料や事務費用も差し引かれるので、人によっては《損をしている》ように感じるかもしれません。
そのため、普通に預金をしたり葬儀保険に加入するなど、他の選択肢と比較して「何を選べば後悔しないか」を考えてみることが大事です。
入会前に『何に、いくら必要なのか』を具体的に確認する
互助会に入ると安心できてお得ですが、一括支払いできる人にとっては損をしているように感じるでしょう。
ですから、
- 積立金のうち、手数料や事務費用はいくらかかっているのか
- 同じ内容を一括支払いした場合いくらになるのか
など、入会前に【何に、いくら必要なのか】を具体的に確認しておきましょう。
大事なのは、「説明されたときに理解していなかった」と嘆くのではなく、最初から「自分の目で確認しておく」という姿勢でいることです。
それでも、互助会に入る意味がある
積み立てよりも一括支払いの方が総額としてはお得です。
しかし、互助会には【少しずつお葬式の準備ができる安心感】があります。
積み立てをすることで、
- 突然の大きな出費を避けられる
- 残された家族に大きな金銭的負担をかけずにすむ
- 将来に向けて計画的に準備ができる
というメリットがあることも事実です。
損か得かということも大事ですが、家族みんなが安心して準備できるようにすることも大事です。
今はインターネットでたくさんの情報を集めることができますので、その中から納得できる方法を見つけ出し、後悔のないようにお葬式の準備をしましょう。
まとめ
互助会を利用した人の中には、互助会に対して不満を持つ人もいます。
しかし、その多くは『事前に互助会の仕組みや内容をしっかりと理解していなかった』ことが原因です。
ですから、入会する前には、
- 希望するお葬式の費用総額はいくらなのか
- どのようなお葬式をしたいのか
- 互助会の費用の支払い方法はどうするのか
- 解約するときの返金額はいくらなのか
などを確認しておきましょう。
互助会についてしっかりと理解し、いずれ来るお葬式に向けて賢く準備をしてください。
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