互助会の会費を支払う方法は、
- 一括払い
- 毎月の積み立てによる分割払い
の2つがあります。
ここで多くの人は「一括払いと分割払い、どちらがいいの?」と疑問に思います。
住宅や車を購入する際にも登場するこの2つの支払い方法ですが、どちらがよいかは人それぞれの生活スタイルによって異なります。
本記事では、互助会の支払いにおける『一括払い』と『分割払い』との違いを比較し、どちらが得なのかについて解説しています。
互助会を有効利用するためのご参考に読んでみてください。
この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって30年です。お葬式を800回以上お勤めしてきた経験をもとに互助会に関する情報を発信しています。
互助会の料金体系
互助会の費用を支払うにあたり、まずは【互助会の料金体系】について説明します。
互助会というのは、
定められた費用を先に支払うことで、お得なサービスを受ける権利を得る
という仕組みです。
そのため、互助会の会員はみんな、費用を【前払い】することになります。
これにより、互助会は経済産業省の許可が必要な『割賦販売法』の《前払式特定取引業》にもとづいて運営をしています。
互助会の費用の支払い方法は、
- 一括払い
- 分割払い
の2つです。
入会時には契約コースを決めますので、コースごとの費用を上記の方法のどちらかで支払います。
そして、じつは同じ契約コースに対する支払いであっても、一括払いと分割払いでは負担金額に差が出ることが多いのです。
分割払いの場合は、必要な費用を均等に分割して、毎月少額ずつ支払います。
一方、一括払いの場合は、その名のとおり必要な費用全額を一回で支払いますが、このときに『一括払い割引』をしてくれる互助会が多くあります。
ですから、同じ契約コースへの支払いでも、一括払いの方がお得になるケースが多いのです。
金銭的にお得なのは【一括払い】です
互助会における【一括払い】と【分割払い】は、どちらも同じ内容のサービスを受けるための支払い方法です。
しかし、両者を比べると、最終的な支払い金額には差が生じます。
結論を言うと、金銭的にお得なのは【一括払い】の方です。
一括払いをすると、分割払いにはない割引がある互助会が多いです。
互助会によっては、契約コース料金が5%くらい割引されたり、年間で1ヶ月分割引されるところもあります。
もちろん、割引によって契約内容が変更されてしまうことはありません。
ですから、金銭的にお得なのは【一括払い】となります。
一括払いのメリットとデメリット
ここで一括払いのメリットとデメリットを紹介します。
一括払いのメリット
一括払いのメリットには、
- 支払い総額が安くなる
- すぐに特典が受けられる
の2つあります。
支払い総額が安くなる
一括払いによる最大のメリットは【支払い総額が安くなる】ということです。
例えば、毎月5,000円を10年間(120ヵ月間)支払うと、総額が60万円になります。
これを一括払いにすることで、支払い総額が57万円くらいに安くなるケースがあります。
これは、
- 長期間にわたる集金業務などの管理がなくなる
- 先に費用全額を受け取れる
など、互助会にとってもメリットがある分だけ割引サービスが提供できるからです。
また、利用者としては一括払いをすることで『インフレ』にも対応できるというメリットもあります。
先に全額を支払っておけば、物価が上昇しても支払時の質やサービスが確保できるので、長期的に見れば安心です。
すぐに特典が受けられる
一括払いをすれば【すぐに特典が受けられる】というメリットがあります。
互助会では、基本的に《費用の支払いがすべて終わってからサービスが提供される》ことになっています。
しかし、多くの互助会では『毎月の積み立て』による支払いをしている人がほとんどです。
そのため、支払い期間中にお葬式をすることになった場合は、特典を受けるために残金をまとめて支払う必要があるのです。
一方で、一括支払いをしていればすぐにでも特典を受けられるので、いざというときに大きな金額を支払う必要がありません。
ですから、将来的な不安を少しでも減らしておきたいという人には一括払いがおすすめです。
一括払いのデメリット
続いて一括払いのデメリットを紹介します。
一括払いのデメリットは、
- 一度に大きな金額を支払う必要がある
- 心理的に解約をしづらくなる
- ライフプランの変化に対応しにくい
などがあります。
一度に大きな金額を支払う必要がある
一括払いは、一度に大きな金額を支払う必要があることがデメリットです。
互助会の入会時にはいくつかある契約コースに申し込みます。
そして、どのコースもだいたい数十万円はかかりますので、それを一度に支払うのは大きな負担となります。
しかし、費用を支払ったことで生活を圧迫しない程度の金銭的余裕がある場合は、割引のきく一括払いの方がお得です。
心理的に解約をしづらくなる
一括払いをすると、心理的に解約しづらくなるというデメリットがあります。
大きな金額をまとめて支払えば、契約コースの特典がすべて受けられる状態になります。
そのため、本来なら解約すべき場合でも、
- 使わないともったいない
- 解約をしたら損をしそう
という心理になってしまうのです。
私たちのライフスタイルは変化していきます。
一括払いをしても、互助会に入会したままにするか、それとも解約をするべきか、定期的によく考えて判断してください。
ライフプランの変化に対応しにくい
一括払いをすると、ライフプランの変化に対応しにくいというデメリットがあります。
私たちのライフプランは変化していくものです。
例えば、
- 子どもが結婚して独立する
- 両親と同居する
- 遠方へ引越しをする
などのように、数年後には生活が大きく変わる可能性があります。
そのため、契約コースの内容が将来も適切なものであるかどうか分かりません。
しかし、一括払いの場合、すでに費用を支払っているので契約コースの内容が変更できません。
ですから、一括払いをするのは、ある程度将来のプランが決まっているときに有効です。
逆に、これからのライフプランにまだまだ変更の余地がありそうなら、一括払いを選ばなくてもよいと思います。
分割払いのメリットとデメリット
続いて分割払いのメリットとデメリットを紹介します。
分割払いのメリット
分割払いのメリットは、
- 月々に少額ずつ支払える
- 心理的にラク
ということです。
月々に少額ずつ支払える
分割払いの大きなメリットは、月々に少額ずつ支払えることです。
多くの互助会では、月々に1千円〜5千円程度を10年間ほど積み立てます。
分割払いであれば月々の負担が少ないため、若い世代や子どもにお金のかかる世代にとっては安心して積み立てられます。
また、分割であれば初期費用が抑えられるので、それだけ金銭的負担金が少なくてすみ、まとまったお金がなくてもお葬式の準備を始められるのです。
お葬式の費用は大きな金額となるため、それを少額から無理なく準備できるというのは分割払いの大きなメリットとなります。
心理的にラク
分割払いには心理的にラクであるというメリットがあります。
一括払いは、大きな金額を一気に支払うので「本当に自分の望むような特典が受けられるのだろうか?」と不安になる人も多いです。
しかし、分割払いなら「とりあえず始めてみよう。」という気軽な気持ちで取り組めます。
お葬式の準備は早い時期から始めておいた方がよいので、スタートの心理的なハードルを下げるには分割払いが適しています。
分割払いのデメリット
続いて分割払いのデメリットを紹介します。
分割払いのデメリットには、
- 一括払いのような割引がない
- 積み立てが滞ると特典が受けられない
ということが挙げられます。
一括払いのような割引がない
分割払いのデメリットは、一括払いのような割引がないことです。
先述したように、一括払いをすれば契約コース料金が5%くらい割引されたり、年間で1ヶ月分割引されるところもあります。
しかし、ほとんどの互助会では、分割払いをした場合にはそのような割引がありません。
互助会に入会して特典を受けるだけでも十分にお得ではありますが、更なる割引を受ける機会を逃してしまうのは分割払いのデメリットとなります。
積み立てが滞ると特典が受けられない
分割払いは、積み立てが滞ると特典が受けられないというデメリットがあります。
互助会の特典は、契約コースの料金をすべて支払ってから受けられます。
そのため、積み立ての途中であったり、月々の支払いが滞っていると特典が受けられません。
特に月々の支払いを【口座引き落とし】にしている人は注意しましょう。
口座の残高が不足していたり、口座を解約した場合に連絡を忘れると支払いが滞ってしまい、いざというときに慌てることとなります。
まとめ
互助会の費用の支払い方法には『一括払い』と『分割払い』があります。
一括払いのメリットは、
- 支払総額が安くなる
- すぐに特典が受けられる
という2つです。
逆に、デメリットは、
- 一度に大きな金額を支払う必要がある
- 心理的に解約をしづらくなる
- ライフプランの変化に対応しにくい
などがあります。
そして、分割払いのメリットは、
- 月々に少額ずつ支払える
- 心理的にラク
ということです。
反対に、デメリットには、
- 一括払いのような割引がない
- 積み立てが滞ると特典が受けられない
ということが挙げられます。
一括払いと分割払いを比較すると、金銭的にお得なのは【一括払い】です。
しかし、両者ともにメリットとデメリットがあり、どちらが適しているかは人それぞれ異なりますので、家族でよく話し合って決めましょう。
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